今日は風土に根ざした草木染め。
春採りのヤシャブシを使って染めます。
そして染色専門店さんで購入したヤシャブシと合わせて比べてみましょう。
ヤシャブシはハンノキの仲間です。
右が買ったヤシャブシ。左が東吾妻で採集したヒメヤシャブシ。
奥が種類が特定できないハンノキの実。
ヒメヤシャブシと買ったヤシャブシと、それぞれ5g、20g、50gと量り、煮出します。
煮ています。
鉄で媒染します。
春採りのヤシャブシは黄味が強いみたい。
だんだんと黒味を帯びてきました。
乾くとこんな感じ。
買ってきたヤシャブシの、グラム数が一番少ない5gバージョンは真っ黒。
ヤシャブシは、量が多いほど染まりにくくなる性質を持っているそうです。
今日は糸染めもお願いしてみました。
糸さばきの実演。
巧みに糸をさばく山崎先生は、まるでラーメン職人のようです。
その間に2番煎じのヤシャブシも、どんな色が出るか試験してみました。
春採りのヤシャブシの黄味もやや収まり、素敵な銀鼠色に。
染められた糸と布。
右側は葛の糸。2番液で染めてあります。
その左は麻の糸。これは1番液、春採りヤシャブシ50g/2ℓ。
どちらも手で績んで糸車でよりをかけてあります。
その左は手紡ぎの綿。葛と同じ液ですが、色の出方が随分異なります。
その左の布は機械紡績の麻。
これは3番液。
いい色です。
色素の量が多いほど染まりにくくなるそうで、
ヤシャブシは染めの作業をする前に煮こぼす人もいるそう。
染料店で購入したものは、作業がしやすいようにあらかじめ下処理を施されている場合があるかもしれません。
ですから、買ったヤシャブシに慣れていて、採集したヤシャブシで染めた場合、
『なんでこの色に〜??』となることもあるかも。
性質を知っていたら、目指す色にたどり着く方法が自分でわかるはず。
と、いう方法を山崎教室では教えてくれます。
ついでに、ちょっとやってみたかったのが上。
右が手紡ぎの綿、左が機械紡績の綿。一般的な縫い糸です。
色の入り具合が全然違います。
綿は草木染めでは染まりにくいと言いますが、
手紡ぎのものは割とよく染まるんですね。
ただ、手紡ぎの糸や、よりがあまい糸は、扱いが大変です。
ですから大量生産する場合は、いろんな薬剤を使い、扱いが楽なように加工します。
縫い糸は引っかかりにくく切れにくいような工夫がされていると思います。
色の入り方の違いは、
製糸の作りやよりの強さによるものか、
機械紡績にかける上での薬剤加工によるものかは、わかりません。
ただ、同じ『綿』と言っても、こんなに違うんだなあと思いました。
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