9/11から蚕絲館さんレクチャーによる養蚕WSが開催されています。
初日は、小さいお蚕さんを迎えて刻んだ桑を与えるところから始まります。
これは到着したばかりのお蚕さんを『蚕座(さんざ)』に移すところ。
がばっ。もさっ。
と移すので、初めて体験される皆さん、『え、こういう感じなんだ!』と驚かれることが多いです。
移した後で、一番上の写真のように桑の葉を与えます。
3齢の終わりごろに到着し、遠目にしらす?に見えたお蚕さんは、驚異のスピードで大きくなります。
朝と夕方とでも、大きさが違います。
講師の東さんにもらったお蚕さん実寸定規。
孵化当時から比べると体長は25倍、体重は1万倍にもなるそうです。
人間だと大体50cmくらいで生まれてくるそうなので、その調子で大きくなると 12.5mくらいになりますね。
という、成長ぶりです。
ですので、桑も成長にしたがってモリモリとすごい勢いで食べます。
最初はのんびりと剪り方についてレクチャーがありましたが、そのうち気がつくと 、一人で10キロ以上もの桑の束を何束も作るようになっています。
見守る こまち。
そしていよいよ上蔟の日。
たっぷり桑を食べて成長したお蚕さんは繭を作りたくなってきます。
そのタイミングで繭を作るための部屋『蔟(まぶし)』にお蚕さんを移してやるのですが、
タイミングを誤ると大変なことになってしまうため、ちょっと緊張感も走ります。
この日は、泊まり込みで夜まで作業された方々もあり、無事に上蔟を終えました。
皆さんお疲れさまでした!
ワイワイと賑やかだった上蔟の翌朝。
ミチミチという音とともに、蔟の中ではすでに繭が作られ始めています。
10月上旬には繭かきです。
その後10/7・8・10・11には、この繭から糸を引く『生繰りワークショップ』が開催されます。
9/30現在、空席は10/11に残席1があるのみです。
ご興味ある方は、お早めにご連絡ください。
それからそれから。
10/29には、お蚕さんが繭を作る『蔟』を藁で編む、『藁まぶしWS』が開催されます。
何万頭も買う場合は、『回転蔟』が主流ですが、お家で100頭とか、そんなに多くない数を買う場合は、藁まぶしもオススメです。
こちらは9/30・20時 現在、残席1となっております。
藁まぶしWS詳細については、コチラから!
お蚕さんが繭を作る部屋『蔟(まぶし)』は現在は多くは作業効率の良い『回転蔟』が使われていますが、それ以前は藁などが使われていました。
以前より藁まぶし作りのWS開催のご要望をしばしば頂いておりましたが、このまぶしを作る道具は現在作られておらず、蚕絲館さんによって道具の復元から始まり、先日開催することができました。
まぶしについては蚕絲館さんブログに詳細にアップされておりますので、こちらをご覧ください。
藁まぶし作りワークショップのご報告|蚕糸日記|上州安中座繰製作所・蚕絲館ブログ
養蚕や蚕具の研究や調査もされている蚕絲館さんによって、藁まぶしの歴史や上蔟の方法についてもレクチャーがありました。
写真は、今回のワークショップで編んで作る『改良藁まぶし』よりも簡易的なまぶしつくりを体験しているところです。
この『改良藁まぶし』は、皇室のご養蚕風景で時々ニュース映像で目にすることもあります。
ただ、今は作れる人を探そうとしても、なかなか見つけることができません。
開催を告知したところ、すぐに満席になってしまったので、今回は日を改めて、二回開催しました。
ニッチすぎるワークショップなので、参加された方も『こんなワークショップが成立するなんて・・・』と笑ってらっしゃいました^^;
ただ、教えられる方が本当に中々ないので、どうしても知りたいという方が集まり、遠方から泊りがけで来てくださる方もありました。
蚕絲館さんは農家のおばあさんに蔟の編み方を教わったそうですが、編み方を知っている生き証人がのこる、ギリギリの時代だったのではないかと思います。
『お蚕さんを自宅で飼っているので繭を作らせるためのスペースがない』という方も多いと思います。
蚕絲館さんが復元した『製蔟器』は省スペースも考慮した3種類の大きさの蔟が作れるように設計してあります。
国を挙げた大規模養蚕の時代は過去のものとなってしまいましたが、細い糸であってもここからまた歴史が繋がってゆけばいいな、と思いました。
蔟つくりWSは、ご要望があれば、人数が揃えば開催できます。
またグループなどでも3人以上揃いましたら開催できますので、ご興味ある方はton-caraまでお問い合わせくださいませ。
お問い合わせは、
mail@ton-cara.com ふせまでお願い致します。
〜 閲覧注意!(^○^) 〜
お蚕さんのアップが時々まかりとおりますよー。
蚕絲館さんの養蚕WS。
9/26、一斉上蔟です。
『お蚕あげ』ともいい、お蚕さんが繭になるタイミングを見計らって『蔟(まぶし)』に入れてやる養蚕のヤマ場的な作業です。
朝からヤル気がみなぎります!
桑からふるい落としたお蚕さんをひたすら集めて、滑車で二階へ。
二階では、重さをはかって蔟に振り分けて入れて行きます。
蔟をわらわら這って、各々の居場所を探すお蚕のみなさん。
作業の合間のおやつには、群馬県民のソウルフード、焼きまんじゅうです。
他県から来られる方は、わりとけっこう 初焼きまんじゅう。
『思ってたのと違う』と言うリアクション、多いです。ウフフ。
予想を裏切る感じを堪能してください。
焼きまんじゅうは、あんこの入っていない酒まんじゅう的なものを四つ串に刺し、甘辛い味噌だれをつけて焼いたものです。
あんこ無しが基本なのです。(近年あん入りも出ています)
気になる方は、買ってきますので、ふせまでお伝えください。
すべて二階に上がって蔟に振り分けられたところで、この日のワークショップは終了。
今回は、およそ半分の蔟は蚕絲館さんが深夜まで作業して吊るし、みなさんには翌朝続きの蔟を上げてもらいました。
回転蔟はお蚕さんの上に行く習性を利用した作りになっていて、お蚕さんの重みで蔟がクルンと回転します。
すると部屋を探していたお蚕さんがまた上に登り、空いてるところに入るという仕掛けです。
糸を吐き始めるお蚕さん。
ミチミチと静かな音を立てて、繭作りが営まれてゆきます。
6/5。ついに上蔟の日を迎えました。
お蚕上げとも言います。
お蚕さんを繭を作るための部屋『蔟(まぶし)』に振り分けて吊るしてやる作業です。
タイミングを間違えれば
蔟に移す前に一斉に糸を吐き始めるなどして
大惨事になってしまうため、上蔟の日は緊張感がただよいます。
養蚕WS期間中、好きな時に来られていた参加者さんたちも、この日は勢ぞろい。
養蚕作業のヤマ場です!
ワークショップに来られている方々は、
皆さんそれぞれ都合を調整して上蔟に集合されるので、
予定日通りに上蔟できるか 天候や気温でハラハラドキドキ。
実は!
いつも蚕絲館では、予定日通り上蔟になるように、温度管理や餌の与え方など、懸命に調整しています。
お蚕さんたちを桑からふるい落として集め、
網をかけておくと網の目をくぐって這い上がってきます。
すると桑や糞などのゴミと分けられるので、
這い上がってきたお蚕さんたちを上蔟の部屋に移してやります。
二階に上げたお蚕さんを、一定量を計って蔟に振り分けてやります。
蔟に振り分けられるお蚕さん達。
お蚕さん達が蔟に馴染むまで、待ってやります。
この日は皆さん夕方7時過ぎまで作業でした。
お蚕さん達が馴染むまで もう少し時間がかかって遅くなってしまうので、
この後の蔟は蚕絲館さんで吊るします。
夜遅くまでお疲れさまです!
翌日。
大フィーバーのお蚕上げから一夜明けて、蔟の中でお蚕さん達は繭を作り始めていました。
ミチミチという繭を作る音、ウンチとおしっこがポタポタポタっと滴る音、
時どき蔟がキイと回転する音が響きます。
繭ごもりの前にウンチとおしっこを大量に振りしぼり、
体の中をすっかりきれいにしてから繭を作ります。
これだけのお蚕さんから出される排泄物は、ずいぶんな量になります。
その排泄物は人間が集めて、気持ち良く繭が作れるようにお世話をします。
この日の午後は、桑の実を採ってジャム作り。
これは蚕絲館で植えている 果実用の品種です。実が大きい!
桑の実ジャムのソーダ割り〜〜。
なにか健康になる気がします。
リフレッシュして、また次に備えましょう!
6/15には繭かき!
いよいよ繭の収穫です。
蚕絲館さんレクチャーによる養蚕WS。
今年も5/20から始まっております。
お蚕さんと向き合い、お世話をし、繭になるまでの過程を共に過ごす。
初日は小さなお蚕さんをお迎えする準備をし、桑を与えました。
お蚕さんがやってくるのが午後でしたので、午前中に蚕絲館さんが各地で取材してきた
貴重な映像を交えた座学と、桑をとってきて小さなお蚕さんのために刻む作業をしました。
3齢のお蚕さん。
かわいい〜〜!と歓声が上がります。
さっそく桑にのぼって食べています。
きっと、それ以前に食べていた桑ゼリーよりも美味しいんでしょうね。
翌日には、脱皮の前後に空を仰いで動かなくなる『眠(みん)』の状態に。
お迎えしてから、眠は2回。
その間に繭を作るための『蔟(まぶし)』を組んでおいたり、
座繰りに使う『もろこし箒』の畑を準備して種まきしたり。
大きくなるにつれ、桑を食べる量が増えてゆきます。
夜にも桑を与える作業があります。
遅い時間なので、いつもは蚕絲館さんだけで行いますが、今回初めて夜の桑づけに参加された方がありました。
遅い時間までお疲れさまです!
こまち(ねこ)も見守っている!
5齢に入り、この日は120kgの桑を採りました。
まだまだそんなに多くはないそう。
これからどんどん食べて大きくなってゆく、
怒涛の5齢の始まりです。
撚糸と精練。
製糸は、繭から糸を引いたら終わりではありません。
その後、目的に応じた糸を作ってゆくための工程があります。
生糸を合わせて目的の太さにしてゆく合糸、
そして生糸に撚りをかける撚糸、さらに固い生糸を柔らかくする撚糸。
蚕絲館さんのワークショップでは、いつもは撚糸は糸車を用いて行っていますので、撚糸だけで1日がかりです(それでも座繰り一回分のカセには程遠いくらい進まない!)が、今回撚糸と精練を1日に凝縮してレクチャーするワークショップが開催されました。
このワークショップでは、糸車ではなく、午前中に機械を用いた撚糸の説明と、午後に精練の実習を行います。
撚糸は、糸車でもとっても時間がかかりますが、機械を用いてもやはり時間がかかります。
そのため、このワークショップでは手持ちの座繰り糸を撚糸はできません(蚕絲館さんで別途撚糸を依頼することはできます)。
まず、製糸の概要について説明した後、『検撚器』を使い、実際の糸(ここではわかりやすいようにタコ糸)の構造を見てゆきます。
タコ糸の構造・・・て、考えたことありますか?
ものが作られるには、いろんな人のいろんな知恵がより合わせられているんだなあ、とワクワクしました。
それから撚糸機を稼働させて撚糸の様子を見学してもらいました。
お昼です。
ミチヨ食堂です。
いつもランチの写真がなかなか撮れないのですが、東さんが撮ってくれました。
前日の座繰りWSではちらし寿司と天ぷら、この日はポークソテーとキノコのホイル焼きでした。
午後は酵素を用いた精練を実習。
そうめんのように見えますが生糸です。
ひたすら糸を繰ってゆくうちに、だんだんと繊維の周り部分の膠質がとれて、ぬめり気が出てきます。
左:ビフォアー。
右:アフター。
わかりますか??
固かった生糸がくたっとなり、柔らかくなっています。
撚糸の仕組みから精練まで学ぶ、内容の濃い1日でした。
撚糸精練特別ワークショップは、
希望がありましたら2名様から開催できますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
さらにお知らせ:
10/27(土)に、岡谷の蚕糸博物館見学会を開催します。
蚕糸業の歴史や文化、道具や機械の移り変わりなど、館長さんが自ら解説してくれるスペシャルツアーです^^
館内併設の宮坂製糸さんの製糸の様子を間近で見学できるのも、とても魅力です。
昨年は当時の形の道具を使った実演もあって、質疑応答が白熱しました!
お申し込みは
↓↓↓↓↓↓
ton-cara 布施まで
TEL:027−368−2370
mail:mail@ton-cara.com
上記イベントは終了しました
綿の実がはじけはじめました。
収穫の季節です。
午前中に摘み取り。
午後は皆で糸車の練習。
じゃじゃん。
並木先生コレクションの時間。
これは八丈島の『かっぺた織り』。
八丈島に伝わる原始機による織物です。緯糸を打ち込む打ちこみ具を『かっぺた』というそう。
原始機とはいえ、綜絖がとても複雑です。
収穫した綿を干していたら、カマキリが一緒に日向ぼっこしていました。
この写真をみていると・・・やばい。涙出ちゃう。
生まれも境遇も年齢も異なる、
ここに来なければ接点など あろうはずがなかった みなさん。
養蚕を通し、糸取りを通して、同じ時を過ごしました。
また、それぞれの場所にもどり、それぞれの生活がはじまる、
でも この出会いは、きっと人生の中での、ワクワクとしたきらめきの時間。
心の奥にともって、暖かな灯となりますように。
一ヶ月以上にもわたり、お蚕さんの世話をし、繭になるまでを体験するワークショップ。
みなさんが志す動機は色々です。
何かを探しながら、迷いながら、あるいはひとつの道に邁進して、あるいは心の赴くままに。
でも、はじめての体験に、みなさんキラキラと目を輝かせていました。
きっと、まわりには『えーっ!』と言われたり、ネタにされたり?、応援されたり。
繭かきの翌日から座繰りワークショップ。
自分たちで収穫したばかりの繭を座繰り器で糸にひきました。
自分たちが世話をしたお蚕さんの繭から、こんな輝きをはなつ糸がとれるなんて。
いい笑顔ですよー。
2018年晩秋蚕 養蚕ワークショップはこれにて閉幕!
参加者のみなさん、関係者のみなさん、長期にわたり講習してくれた蚕絲館さん、そしてお蚕さん、
本当にお疲れ様です!
ありがとうございました!
養蚕ワークショップでは、お蚕さんを育て、繭を収穫するまで体験できます。
来年も春は5月から、秋は9月から開催します。詳しい日程は決まりましたらアップしますね。
ちなみに、蚕絲館さんの座繰りワークショップは、
11/3(土)、11/4(日)、11/15(木)、11/16(金)に開催します。
ただいま、11/4に参加希望の方がいらっしゃいますが、最小遂行人数に達していないので(;^_^A大募集です!
(2018.10.10現在)
9/1に始まった養蚕ワークショップ@蚕絲館、ついに最終日!無事に繭になったお蚕さん、みなで繭かき。繭の収穫です!
まずは回転枠を下ろし、蔟を外して行きます。
蔟を一枚一枚、光に透かします。
中で死んでしまっていたり、小さかったり、薄かったり、などという不良繭を取り除いてゆきます。
この日はあいにくの曇りでした。
ぐんま黄金は白い繭に比べると光に透けにくいようで、ちょっと見えにくいみたいです。
マユクリン、出動。
これは蔟から繭を押し出して収穫しつつ、毛羽もきれいにしてくれる優れものマシーンです。
タイミングを誤るとガガガガっと恐ろしい音を立てて蔟をひしゃげさせてしまうので、緊張の一瞬です。
これは、蚕絲館にて通称『病院』と呼ばれている藁蔟。
藁を編んで作った蔟です。
回転蔟から落ちてしまうお蚕さんなどが入院しており、彼らにはここで繭を作ってもらいます。
ボール蔟よりも居心地が良いのだそうです。
この藁蔟の繭も収穫。
繭の周りには、お蚕さんが繭を作る時に足場として吐いた毛羽が、ふわふわした状態で付いています。
手作業で収穫した繭には、この毛羽がついたままなので、手回しの毛羽取り器で毛羽をむいてゆきます。
500gの繭から、一個あたりの重さを割り出します。
今回は、まあまあの出来だそうです。
天気によっては、たくさんの蚕が死んでしまったりする年もあるそうです。
今回は、前回よりも黄色味が濃いそう。
これもお天気や気温によっても変わるということです。
作業の終了後、4日以上参加した方には、修了証を贈ります。
一ヶ月以上にわたるワークショップ、みなさん遠くから何度も足を運ばれての作業。
本当にお疲れさまでした!
2018年晩秋蚕 養蚕ワークショップ@蚕絲館、これにて閉幕!
翌日にはこの繭を座繰りして生糸にします。
参加者のみなさん、連日の作業です。
でも自分で収穫した繭を翌日に座繰りなんて、なかなかないですよね。
それは また報告しますね。
ではでは。
並木先生の教室では、糸車の糸紡ぎと併行して原始機をつかってドンドン織り、織りに慣れて行ってもらっています。これまでは経糸は並木先生が準備してくれていましたが、今回からSちゃん初挑戦。
手紡ぎ糸を経糸に使うとトラブルが発生しやすいため、『ガラ紡糸』をつかいます。明治の頃に日本で考案された紡績機をつかってゆっくり紡がれた糸で、ふんわりポコポコとした質感が特徴。手紡ぎに近い風合いです。
これはSちゃんが自宅で織ったもの。
自宅でもドンドン織り進めるSちゃん。
なんと原始機に自分で糸綜絖(経糸がパクパク開いて緯糸を通す道をつくる仕掛け)を悩みながらつくり、杉綾織りを織ってきたーーー! 原始機で!
経糸をどう浮かして緯糸を通すかで、こんな織り文様が生まれます。
それを自分で悩みながらやったというのが、本当にすごい
織り作業のかたわら、時々ひろげられる並木先生のコレクションも楽しいです。
これはアフリカの藍染。手紡ぎ糸を使い10cm程度の細幅の布を男性が織り、それを縫いあわせ、布をラフィアでしばってゆき、絞り文様をほどこしたものです。
ラフィアだと水に濡れた時にギュッとしまるので絞りに丁度よいそうです。
取り除ききれないラフィア、ところどころ残ってますがな・・・
そんなワイルドなところも素敵です。
日本の製品はとてもきれいに作られるので、
それに慣れていると、ふだん使いの日用品として布をつくるアジアやアフリカの手仕事は、とても斬新に見えハッとさせられます。
これもSちゃんが自宅で織ったもの。
夏にみなで採った葛の苧を緯糸に織りました。
葛をあらった鮎川の清流を思わせるきらめきです。
こちらも房処理をして完成!
今日は台風が近づいているので早めに帰りました。
来月の和綿の教室は10/10(水)、10/28(日)です。
お申込みは
ton-cara TEL:027-368-2370 e-mail:mail@ton-cara.com 担当:布施まで^^
養蚕ワークショップ、24日目。
ムチムチと大きくなったお蚕さんは、体が飴色に透けはじめて大きく首を振り始めます。
『熟蚕(じゅくさん)』という状態です。
このタイミングに合わせ、繭を作るための部屋、『蔟(まぶし)』に入れてやります。
お蚕上げです。
お蚕さんを桑の枝ごと集め、機械にかけてふるい落として集めて行きます。
この機械がない場合は、手でふるい落とします。
手作業は、、、何万頭も作業する場合は、ちょっと大変ですよね。
さらにゴミやフンなどから分離して、サンタクロースの袋のように抱えて、風通しの良い二階へ運びます。
滑車で二階へ。
湿気が少なく風通しの良い二階で繭を作ってもらうので、
群馬の養蚕農家さんは、こう言った滑車やエレベーターが設置されている所が多かったようです。
だいたい1000頭ずつ入りますので、それくらいになるように重さをはかります。
ワークショップの間、せっせと組み立てた蔟の出番です。
蔟に流し込むように入れてやります。
蔟に馴染んだ頃あいを見計らって、蔟を吊るします。
尿受けをセッティングして、完成!
最初に入れた4セットを吊るして、あとはタイミングを待ちます。
夜になってしまうので、ワークショップの参加者さんたちのお仕事は、本日はこれにて終了!
10/4の繭かきには、きっと立派な繭ができていますね。
お楽しみに^^
9/1。
蚕絲館さんに卵からかえったばかりのお蚕さんがやってきました。
これから一ヶ月以上にわたり養蚕ワークショップが始まります。
今回育てるのは『ぐんま黄金』。
鮮やかな黄色い繭が特徴の品種です。
まだ小さなお蚕さんたちが、この封筒の中に入っています。
お蚕さんは菌に弱く、特に小さいうちは厳重警戒です。
ですから、養蚕期間中は納豆も食べません。
あらかじめ消毒が行われた蚕室で、作業が始まります。
お蚕さんに直接 手で触れないよう、掃立てには箸や羽根箒を使います。
桑の葉のどの部分を与えたら良いのか?
の説明を受けた後、やはり消毒済みの道具を使ってお蚕さんに桑の葉を刻んで与えてやります。
お蚕さんが小さいうちは、あまり作業もありません。
蚕絲館さんが取材してきた養蚕・蚕糸業の映像を見ながらの座学。
蚕糸業にはいろんな業種がありますが、高齢化や後継者不足によりどんどん消えつつあるそう・・・
貴重な映像です。
その時に出てきたお菓子にビクッとしました。
繭!!・・・のようなアラレ。ああビックリした。面白いことたくらむじゃないですか。
9/4。2齢1日目。
一ヶ月以上のワークショップなので、参加者さんは来られる時に参加します。
小さなお蚕さんを養育する室(むろ)から出して作業です。
室はお蚕さんのために温度と湿度が管理できるようになっています。
そしてお蚕さんの居場所を広げてやり石灰を散布。
石灰を撒くのは消毒のためとお蚕さんの成長速度を揃えるためです。
この後、ドンドン大きくなっていきますよ。
お楽しみに^^
講師の東さんのブログも御覧ください。
プロの目線からの記述です。参加者さんが居ない時の作業も記録していますので、詳しく知りたい方にオススメです。
なお、養蚕ワークショップは、一ヶ月以上にわたって開催しますので途中からの参加、または1日だけの参加も大歓迎!でーす。
お申し込みはton-cara 布施まで!
TEL:027−368−2370
e-mail:mail@ton-cara.com
先日行われた蚕絲館さんのワークショップは、ちょっと特別篇。
結城紬の織り子を経て織物作家さんとなり地機の教室をされている方と、その生徒さんたち、3名様を迎えて
座繰り製糸から撚糸、精練についてのレクチャーを行いました。
1日目は繭をにて 糸をとる座繰りです。
二日目、とった糸を柔らかくする『精練』の作業です。
繭から引いただけの生糸は、セリシンという膠質に覆われ、麻のような固い触感です。
精練してセリシンをおとしてゆくと打って変わった
やわらかな糸になります。
ここでは、酵素を用いた精練方法を行います。
精練前はハリハリした感じだった糸が、お鍋の中で『くたーん』となっています。
糸が作られてゆく過程には、いろいろな工夫があります。
これは『検撚機』を用いて、糸にどのような『より』がかかっているのかを調べる方法を解説。
鍋で煮て繭から引き出された糸は、繊維が ほぼまっすぐな状態です。
この繊維に回転をかけることで、強度が増し、バラけにくく、取り扱いもしやすくなります。
↑動画です。
検撚機のハンドルををくるくる動かします。
レトロな感じで面白いのですが、有能なんですね。
さらにさらに、合糸についても解説。
たくさんの粒数の繭を煮て一気に糸をとるのと、
少ない粒数で引いた糸を幾筋も合わせて一筋の糸を作り、
撚糸したものとでは しなやかさや光沢が違うそう。
前者が奥、後者が手前。本当だ、こんなに違うんだ!
蚕絲館さんの製糸レクチャー特別篇は、3名さまから開催できます。
布の基本の糸、そして繊維の作り・仕組みや秘密がわかると、
きっと世界がグーンと広がりますよ。
9月より蚕絲館さんで養蚕ワークショップが始まります。
お蚕さんの卵を迎えて桑を与えて育て、繭の収穫までが体験できます。
通しで参加された方には、1500粒の繭がプレゼントになります。
1日単位での参加もできます。
ご自分で育てた繭から糸を引き、織ることもできますよ!
お申し込みはton-cara フセまで。
TEL:027−368−2370
e-mail:mail@ton-cara.com
安中市鷺宮にある咲前神社(さきさきじんじゃ)は古くから地元の方に愛されてきた神社です。境内にはうっそうとした常緑樹の森と、桜があります。
この鎮守の森の椿と桜を採集しておこなう草木染教室を開催しました。ふつうは草木染の媒染(色止め)には精製した鉄やアルミを使いますが、昔は椿を燃やしてその灰から灰汁をつくり、媒染を行っていました。
せっかく椿がたくさんあるので、その昔の方法にのっとって染めてみます。
椿の生木は中々燃えません。
昨年は、火ともし名人がいたからからか、それとも湿気の問題か、わけなく燃えましたが、
今年はみんなで火吹き棒をプープー、ローテーションで午前中いっぱいかかりました。
暑い!
本当に暑いから、途中でクーラーのきいた社務所に入りつつ、休みやすみです。
境内の桜もからも、枝葉ごと採集です。
鍋で煮て、酸素に触れさせることで桜の染液は赤みをましてゆきます。
翌日。
椿灰汁を作成しておきます。これは桜で染め上げたものの媒染(色止め)に使います。
今回作成のストールは、桜の型を使い、あらかじめ色ざしや糊づけしておきました。
ここに桜の色をのせる予定です。
材料は持ち込み自由です。
みなさんストールの他、Tシャツやマフラー、織りに使う手紡ぎ糸など、思い思いに染めてゆきます。
染める素材によっても、色の出方がずいぶんことなります。
宮司さんから、『これも染めてくれるかな』と、群馬の絹のハンカチをたくさん預かりました。
山崎先生が彫った青海波の型に、これも山崎先生が咲前神社の社紋とロゴを彫り、みなで染めました。
お守りにも使えそう。
夕方から、染めたものをもって拝殿に集合!
宮司さんのご祈祷です。
前々日の『さきさき夏市』に出店された方も、それぞれの仕事道具をもって、みなの技術向上と身体健全を咲前神社の神様に祈って頂きました。
暑い中、みなさんありがとうございました!
山崎先生の次回の草木染教室は
型染・・・9/5(水)、9/6(木)です。
一日目に型を彫り、二日目に染めを行います。ご参加希望の方は『この染料で染めてみたい!』というのがありましたらご連絡ください。
材料のお持ち込みもOKです。
藍の7色染め・・・9/12(水)
藍はブルーだけではない!という教室です。藍の生葉から赤や青、紫、黄色など、多様な色素が生み出されてゆく様子は、まるで魔法のようです。
お申込みはton-cara布施までお願いしまーす
TEL:027-368-2370
e-mail:mail@ton-cara.com
7/18,19は山崎先生の草木染教室でした。
みなさん、手順も段取りもスムーズで、暑い中黙々と作業にとりかかります。
とっても暑い日でした。糊が早く乾きます。そのため一日で何度も染料を刷くことができました。
デザインのお仕事をされているNさんの新作柄。もみじと鹿が素敵。
茜は何度も刷毛で重ねられ、赤く赤くそまってゆきます。
Hさんは、おうちのカーテンを製作中。
もう暗いのに! そしてこんなに暑いのに!がんばっている!
どちらもHさんの作品。柿渋で染めたご自宅のカーテン、書道の練習用紙を張り重ねて柿渋を塗った道具箱。日々の道具やおうちの必需品が手仕事でつくられてゆく暮らし、とても豊かな気持ちになれますね。
それにしても暑いので二日連続でみんなでつばめベーグルさんのかき氷をたべにゆきました。
かき氷をたべながら、むかし骨董屋でみたかき氷機の話をしました。
かき氷機に天女と三保の松原が鋳込まれていて、そこにかき氷ができあがると、白富士に舞う天女の物語が出来上がるのです。とてもほしかったのですが、ちょっと手が出ない値段でした。
・・・という話をしたら、Nさんがびっくりしながら『いままさに、その柄を作ってるんですけど』
なんですって。
これが天女柄。なんということ。
ピンポイント過ぎる。
素敵だ。
藍でも作るという事なので、今度もってきてももらうことにしました。
今回はミニ板締めと絞りも少し。
Nさんがインド藍をたくさん持ってきてくれたので染液に投入!
どんな柄になるだろう。
こんなの出ましたー。
今回もたくさん染まりました。
暑い中、ほんとうにお疲れ様でした!
次回の草木染教室は8/1(水)、8/2(木)。
近くの咲前神社で開催します。
椿と桜を採集して椿灰汁の媒染による桜染をおこないます。
お申込みはton-cara フセまで!
TEL:027-368-2370 e-mail:mail@ton-cara.com
高機で平織・綾織り・朱子織と色糸の組合せでサンプル作成をクリアしたIさん、念願の絣に挑戦。
自分のデザインにそって作成した設計図をもとに、糸をくくってゆきます。
くくっていない部分が染められ、その組合せで文様を織り出すのです。
それを縦と横の糸、両方にほどこすから、地道に黙々。
6月は、ひたすらくくりです。
Aさんは整経がおわったブークレ糸を機にかけ、織りはじめています。
リジットは慣れてらっしゃるようで、順調です。
いつもながら可愛らしい色使い。
むむ? 使っている手芸ハサミも可愛いな。
シェフはつづれ織り。
緯糸に色糸を使い経糸の中で組み合わせていくことで絵を描くように織り上げてゆく手法です。
見本のような〇△☐を織り出します。
シェフは性格上、作成の過程で納得がいかないと何度でもやり直し。
緯糸もギュウギュウ詰めておるから、なかなか進まず苦戦しているよう。
ここへきて、Iさん何か違うと気づいたそう。
くくる位置ががずれていたようです。たいへんだ。
間違ったまま進むと全体の模様が崩れてしまいます。
坂田先生と一緒にやりなおし。
1歩進んで2歩下がるような感じですが、
1+2=3なので、その歩数もきっと自分の歩いた大切な道のりになりますね。
10日にはじまった養蚕ワークショップ。
3日目の5/12、参加者のIさんと一緒に蚕座を整えます。まだ小さいお蚕さんは菌やウイルスに弱く、
手で直接触れないように箸や羽箒をつかいます。
参加中は朝ごはんの納豆も禁止です。
刻んだ桑の葉にびっしりとついていますね。
お蚕さんが小さいうちは、作業があまりハードではありません。
午後は座繰りに使うモロコシ箒をまくために畑仕事。
養蚕から織りまで熱心に学びたいIさんは、秋の収穫を迎えたらこの箒で自分で座繰りをするのかな。
翌日。お蚕さん、大きくなっている!
小さいけれど、よく見るお蚕さんの形です。
ちなみにこれは初日の様子。
4日でこんなに大きくなるんだ。
桑を与えられたお蚕さんは、また室に入ります。
平石さんは図解入りで段取りや手順を説明をしてくれます。
毎回絵がうまいなあ、と感心しています。この日も午後は畑仕事。Iさん管理機の練習です。
桑畑の仕立ては、管理機が入るように計算されています。
管理機がはいらないと、作業がとっても大変になります。
ですから、苗を植える時には桑が大きくなった時のことを想定して
幹の向きや位置をこまかくチェックしていました。
将来桑を自分で植えることがあったら、養蚕ワークショップに出られた方は、蚕絲館さんでサポートしてくれるそうですよ。
はじめての経験、相談に乗ってくれる人がいるとありがたいですね。
東さんのアメブロや、IさんもFBに掲載しているので、そちらもご覧ください。
山崎先生の草木染め教室。今日も糊作りからスタート。
みなさん、もう手慣れたものです。
自分で作ったデザインをもとに、彫った型。
糊をはいて乾かします。
天気が良かったので、車の上にも。
本日のミチヨ食堂は、アジの一夜干し。
ミチヨシェフが昨晩干したアジを炭火でこんがり焼き上げました。
おやー。今回は新しい技法が。
花びらの部分に色をのせておき、背景を刷毛で染めるそう。
お天気が良く、作業びよりです。
柿渋をはいた上にラックや松煙で色を差してゆきます。
桜を煮出して浸し染めもしてみました。
可愛らしい桜色が染まります。
染料が乾いたら糊を落として行きます。
今回出来上がった作品たち。
桃色の背景やざくろの部分はラック。
踊るクマは、柿渋に鉄媒染。
柿渋は日に当たることで色が濃くなってゆくので、しばらく吊るしておこう。
生徒さんの作品の一部は、5/13(日)の動楽市にも持ってゆこうと思います。
次回の草木染め教室は、5/9(水)・10(木)。
山崎先生は桜を持ってきてくれるそうですが『この染料で染めたい』と言うご要望があれば、可能な範囲でご用意できるそうです。
お申込みは、ton-cara e-maii:mail@ton-cara.com
TEL:027−368−2370
担当:布施まで!
機織り教室では、卓上機の生徒さんたちが、どんどん作品を織りあげています。
色糸の入れ方でどんな文様が生まれるかの練習です。
上の写真は網代文様。
こちらは高機練習中のIさん。
経糸の準備から。
機織り機の中で、綜絖(経糸が横糸をくぐらせるためにパクパク開く仕掛け)に糸を通したり筬に通したり。体が大きいので窮屈そう。
機の微妙な調整も必要。
織れてきましたよ。
これも色糸と織りパターンを変えての織りサンプルになります。
経糸は3色、綜絖が4枚ある高機で、横糸の色と織りパターンを変えるだけで、こんなに多様なバリエーションが生まれます。
ちょっと踏み木を踏み間違えたところも歴史として残ってしまった。。。(;'∀')
草木屋染めの杜 山崎杜人先生の草木染教室。
この日は、デザインのお仕事をされている方が、ご自宅で作製されたデザインをお持ちになりました。
このデザインを元に、型を彫ってゆきます。
どれも素敵です。
一日目に糊を作っておきます。
デザインが細かいので、今回は型紙に『紗』を張って染める方法を行いました。
遅い時間まで頑張られたので、画像が暗く、紗を張る作業の手がすごいスピードのように見えます。。。
翌日は、前の日に作った糊を刷く作業。
今回は製作する量が多かったのですが、
デザインや染織のお仕事をされているので、作業もとても早く、
あっという間に糊づけされてゆきます。
今回の染料はラック。カイガラムシの分泌物です。
綿生地に刷いたラックは、かわいらしいピンクになりました。
ラックは、古来黄味のすくない染料として珍重され、薬用にも使われて、
正倉院御物にも保管されています。
水の中で糊を落とすと、ラックに重ねた差し色の鳥が浮かび上がりました。
干すときには暗くなり始めて、ちょっと色が見えにくいのですけど(;^_^A
デザインが素敵なうえに、差し色が生きて、全体が生き生きとして見えます。
次回の草木染教室は、3/28(水)、3/29(木)です。
28日は型染めの型彫りと糊作り、29日は藍を基本にした重ね染めと引き染め。
重ね染めにより緑や紫が生まれます。
ご自分の染めだしたい図案や、染めたいものがある方は、お持ちください。
お待ちしております。
お問合せは ton-cara
TEL:027-368-2370
e-mail:mail@ton-cara.com
担当布施まで。
坂田先生の機織り教室。
今日初めてのIさんは、機織り経験はあるけれど整経など
経糸の支度から行ったことがないということで、初回でしたが整経からレクチャー。
本格的に習いたい!という熱い思いをお持ちでしたので、坂田先生もビシばし!
ウソです。坂田先生とっても優しいですよ。
やる気に満ちていて作業も早かったので、カメラマンがうっかり目を離している間に
すでに筬通しも終わってしまっていた!
お昼です。
おぎのやさんの釜めし、、、のうつわですが、
中身はミチヨシェフの釜めし。
意見の分かれるアンズは入っていません。
ゆっくり食べて午後に備えましょう。
午後、ミチヨシェフはウールマットの縮絨を習いました。
ウール繊維はキューティクルのようなウロコ状の繊維です。
ある程度の熱を加えたりしてギュウギュウもむと、
繊維のウロコ同士がからまりあい、縮んでゆくのです。
左、縮絨前。右、縮絨後。
ずいぶん風合いが変わりました。
キュッと縮んで厚みも出たので、熱いポットや小さな鍋などを敷いてもいいです。
また、目を離しているうちにIさんはウールマットを半分織ってしまっておりました。
早いです!
いずれはお蚕さんを飼って糸を引き、織る仕事がしたいとのことです。
そんな方がここから巣立っていったら うれしいな。
この日は蚕絲館さんにより『撚糸』のワークショップが行われました。
座繰りで引いた生糸は、そのままだと糸がバラけやすく、扱いが大変なため、
糸に『撚り』をかける『撚糸』を行います。
糸に『撚り』を加えることで、繊維がまとまり、強くなって扱いもしやすくなります。
ワークショップでは、糸車を使って行います。
上と下の写真は『かせ』を枠に巻き直しているところ。
巻き取り中。。。
慣れるまで、ちょっとタイヘンな糸車。。。
枠に巻き取った糸を撚りかけします。
でも、次第に慣れて、午後にはみなさんスムーズに糸車を操ってらっしゃいました。
▲動画です▲
ホカホカ。
撚りをかけた生糸は、蒸し器で蒸して、撚りどめします。
お茶タイムでひと息つきましょう。
東先生が陸稲(おかぼ)のお団子を作ってきてくれました。
東先生の作ってきてくれるおやつは、しみじみおいしい、
懐かしい味わいのお菓子で、大好きです^^
蒸しあがった生糸は、カセに巻き直します。
2本の糸を1本に合糸してあります。
糸車で管に巻いた時の巻き具合次第で、カセに巻き取り直す時に、つっかえてしまうことも。
初めてのレクチャーでは、五里霧中というか、まるで樹海の中を案内されているようで、
『???』の連続なのですが、通しで体験してみると、
『ああ、あの時のアレが、ここに響くのかー!』と よくわかります。
でも今回のみなさんは、とてもスムーズで撚りかけの糸量もはかどりました!
手前が座繰りしただけの生糸。奥が撚糸された生糸。座繰りしたてのような光沢は失せていますが、
この後に生糸を柔らかくする『精練』を行うと。。。
一番奥が精練した絹糸。
撚糸の後に、精練を行うとうっとりするほど柔らかく、輝くような美しい絹糸になります。
精練したい方は、ご連絡くださーい。
草木屋 染の杜 山崎先生による草木染教室。
前々回、まんがのキャラを型染用に用意されていたKさん、
とっても細かい線を彫ってらっしゃいましたが、、、
年改まり、キャラクター、5人衆が彫りあがってきましたー。
すごい。お疲れ様でした!
と、いいながら染めの作業はこれから始まります。
今日も糊つくり。
型紙に糊をはいただけの布も、素敵なのです。
今回の染料は、茜にヤマモモを使います。
毎回やっているので伸子(しんし)張りが早くなったHさん。
茜は、綿でも鮮やかに発色します。
布バッグ、きれいな赤ですね。
Hさんの桜の型染は、重ね染めをして、たそがれ時の桜を思わせる色合いです。
手も、だんだん赤く染まってゆく。。。(;'∀')
座繰りの講師をしてくれている蚕絲館の東さんが自作の繭飾りをくれたので、
小正月のこの日、みんなで収穫して頂きました!
Kさんの作品は、ほしいという方がたくさんいらっしゃったそうで、
5人衆の手ぬぐいを、色も違えてなんと10枚も染められていました!
染め場は、軽く工場のようになっておりました。。。
前回彫ったHさんの蓮。
この前はキブシとコブナグサで染めましたが、今回はヤマモモで染色。
色が変わると印象もずいぶん変わります。
型染は、一度彫ると何度でも使えるのがいいですね。
次回の草木染教室は、
2/27(火)28(水)です。
今度はラック(紫鉱)で染めます。
ラックの別名は花没薬、紫鉱。
遣唐使によってもちこまれて正倉院などで薬用として使われていました。
当時黄色味のない赤(ピンク)が染める事ができるとして重宝された染料です。
お楽しみにー。
お申込みは。。。
ton-cara
TEL:027-368-2370
e-mail:mail@ton-cara.com
担当 布施まで!
草木屋 染の杜 山崎先生による草木染教室。
今回はみなさん、好きな図柄をお持ちになり、その型を彫って染める予定です。
お庭の蓮をご自分で撮った写真からおこす方、それからブータンの吉祥文様で彫られる方。
ブータンの文様は、この文様で以前刺繍をされたのだそう。素敵です。
ある程度型が彫れたら、染めの作業場で糊作りです。
作業場、寒くてすいません。
そのうち改善します。
みなさん、日が暮れてもカリカリと熱心に型彫り。
合宿のようです。
翌日。型が彫りあがりました。
夜遅くまで頑張ったそう!
ブータンの吉祥文様は8つで1セット。文様も細かいから大変そうでした!
型をもとに昨日つくった糊を付けます。
蓮、きれいです!
ブータンの文様。糊をはいただけでも、素敵です
染料は、煮出したコブナグサと松煙。
コブナグサからは、明るい黄色が染められます。
刷毛で引き染めをしたり。
浸し染めをしたり。
吉祥文様染め上がりました。
白抜きの文様のまわりに松煙をぼかしたり、型を基に松煙で染め抜いたり。
背景はコブナグサ。
蓮です。
松煙とコブナグサの背景に白い蓮が浮かび上がりました。
次回の草木染教室は、1/15(月)16(火)、
一日目は型彫り、二日目は茜を使った染色です。
染めだしたい図柄や染めたい布がある方はお持ちください。
お申込みは ton-cara TEL:027-368-2370 e-mail:mail@ton-cara.com
担当:布施まで。
お待ちしてまーす。
冷たい風に吹かれて、伯州綿の畑はすっかり枯葉色に。
ところどころ、遅く開いた綿花がチラホラ。
5月には、こんなだったのに。
モリモリと大きくなり、花が咲いて、綿の実がひらいて。。
そして12/13、年内最後の和棉の教室。この日は畑仕舞いです。
綿の木を引き抜いて、また来年のために畑に手当てをしてやります。
12月半ば、綿の実も、もうあまり大きくはありません。
また5月には、ここに種をまきます。
引き抜いてできた畑のぼこぼこは、ならしておきます。
この日のおまかせランチはピーマンの肉詰めでした。
5月からm、ずっと紡いできた綿の糸が、巻き取られ、カセになってゆきます。
感無量。
機織りが、はじまります。
これは座繰りで引いたぐんま黄金の生糸。
このままだと麻のように固い質感なのですが、幾つかの工程を経て扱いやすく、やわらかい絹糸になります。
今回は、蚕絲館さんによるレクチャーで、生糸を柔らかくする、『精練』を体験します。
生糸を固くしているのは、ニカワ質のセリシンという物質。
セリシンを取り除く方法は、幾つかありますが、今回は台所でもできるように酵素を使った方法で行います。
まず東先生による手順のお見本。
そして各自実践!
ぐんま黄金の生糸。キュッキュッとした質感の糸が、だんだんとナロナロになってゆきます。
ぐんま黄金の黄色は、水にも溶け出していました。
こんなに色が出るなんて。
生糸の色は、幾分黄味が落ちています。
白い糸と同時に精練する時は、気をつけましょう。
これは蚕絲館さんの糸。
奥が未精練、手前が精錬済みのものです。
さて、別の日には染織作家の方のご要望で、撚糸機を使った撚糸レクチャーがありました。
ton-caraの通常教室では、上の写真のように糸車を使った講習を行いますが、
この日は、撚糸機の稼働している様子や方法などをレクチャーしました。
2本の生糸が1本に合わさり、撚りがかけられてゆきます。
糸関係の業者さんは、どんどんいなくなってしまっているそう。
蚕絲館は将来を見越して、機械を導入しているのだそうです。
どのような糸を、どのような目的で作るのか?
そこに至る工程の模索と、結果は?
糸の世界はめまいがするほど奥が深く、日々探求を絶やさない姿勢に頭が下がります。
糸をつくる、ただそれだけのことが、どんなに大変で試行錯誤を重ねているのか、垣間見ることができます。
次回1月の蚕絲館さんのワークショップは、
1/6(土)、1/7(日)、1/18(木)、1/19(金)。
座繰りのワークショップです!
上記日程以外でも、3名様以上いらっしゃいましたら開催することができますので、ご相談くださいませ。
お申し込みは、
ton-cara 担当:布施
TEL:027−368−2370
e-mail:mail@ton-cara.com
お待ちしておりまーす。
草木屋染の杜 山崎先生による草木染め教室。
今回は型を彫って糊を刷き、キブシで染める、型染めです。
図柄は、古典柄から選んだり、ご自分でお持ちになったり、好きな図案で彫って行きます。
糊は、消石灰・糠・もち米を練って作ります。
糊板にピシッと張った布に、糊を刷いてゆきます。
お持ちになった図案の、まんがのキャラクター。
細かいから彫るのが大変そうだったけど、
きれいに糊がつきました!
いつもいらっしゃるHさんは、古典の桜柄。
草木屋さんで制作用に使っている図案の型紙もあります。
キブシを煮出します。
糊を刷き、外で引き染めに。
鶴文様は、お正月にもいいですね。
キブシと鉄媒染による染めを経て、糊を落とします。
Hさんは、裾に桜を散らしてグラデーションに染め、スカートを作るんですって。
楽しみです。
柄があると、やっぱり楽しいな。
まんがのキャラは、こんな風に!
プレゼントされる予定なんだそう。
このキャラのファンだったら、きっと喜びますね。
12月の草木染め教室は、12/26(火)、27(水)。
26日に型彫りと糊作り、27日に浸し染めと引き染めです。
1日だけの受講も大丈夫です。
染料は、小鮒草(こぶなぐさ)。黄色と緑に染める予定です。
型染めの柄は、用意もしてありますが、
染めだしたい図案がある方は、お持ち込みできますよ!
お申し込みは、
ton-cara 担当:布施
TEL:027−368−2370
e-mail:mail@ton-cara.com
蚕絲館さんでは、さまざまな品種のお蚕さんを育て、座繰り糸を生産しています。
いつもは座繰りのワークショップでは『ぐんま200』などの繭から生糸を引くレクチャーを行っていますが、今回、機織りのプロの方から『小石丸』で座繰りがしてみたいという、たっての依頼があり、
番外編の特別レクチャーが行われました。
『小石丸』は、日本在来の品種です。
小さくピーナツ型のかわいらしい繭をつくります。
糸量が少ないために、品種改良のすすめられた大きくて糸量の多い繭が生産されるようになり、現在は希少になっています。
美智子皇后さまが皇室で育てられ、正倉院御物の復元にも用いられているのが『小石丸』です。
写真は、上から時計回りに新小石丸、小石丸、ぐんま200。
新小石丸は、小石丸の特徴を受け継ぎながら中国の品種とかけあわせ、もう少し大きく糸量も多いそうです。
ぐんま200、小石丸とくらべると、でかい!
いつものレクチャーでは、鍋に50粒の繭がある状態にして糸を引きますが、
今回の小石丸では、10粒!
極細です!!
繭の煮方、取り扱い、引き方、通常品種とは大きく異なります。
それにしても、大変そうでした。。。
お鍋の中でかわいらしく踊る小石丸の繭。
小枠に巻かれた生糸は、細ーい小石丸の、細ーい生糸で、
いつものワークショップでひく『ぐんま200』とくらべると、繊細で可愛らしく、
本当に美しい糸でした。。。
ちょっと写真だとわからないのが残念。
『小石丸』の座繰りワークショップは、今回特別ということで開催に至ったのですが、
今後も希望する方があれば蚕絲館さんの方でもレクチャーしてくれるそうです!
講習料等の詳細は、直接お問い合わせくださいませ。
ちなみに、通常通りの座繰りワークショップは、今月は12/21(木),22(金)開催です!
12/14(木)は、今まで座繰りで生糸を引かれた方を対象に、生糸を柔らかくする『精練』のワークショップがあります。
かたい生糸が精練をへて、うっとりするようなやわらかな絹糸に変身します。
生糸をお持ちの方は、ぜひぜひトライしてみて下さいね。
お問合せ:TEL027-368-2370 e-mail:mail@ton-cara.com 担当:ton-cara布施まで
蚕絲館さんの座繰りワークショップでは、繭を煮て生糸を引きますが、
引いた生糸は、そのままで終わりではなく、次の工程が待っています。
座繰りで引いた生糸は、糸に『撚り(より)』をかけて、そのあと生糸を柔らかくする『精練』の加工をします。
19日に、座繰りで糸を引いた方を対象に、糸車を使っての撚糸(ねんし)ワークショップが開催されました。
今回の撚糸では、引いた生糸を二本どりにして一つの小枠に巻き取り直し、糸車にかけます。
これは『検撚機』といって、糸にどれくらいの撚りがかかっているか、調べる機械だそう。
2本にあわせた生糸を、糸車を使って撚りかけします。
糸車の、大きな車の部分は動力です。
この車を回すと、『調べ』とよばれる糸で連携されている『錘(つむ)』が、
円の大きさの差によって高速回転します。
その回転を利用して平べったかった生糸に『撚り』がかかり
繊維が丸くまとまるとともに、糸の強度がまします。
ですが、糸車に慣れるまで、なかなか大変!
撚りかけした生糸が、だんだん管にたまってゆきます。
管に巻いた生糸は熱を加えて撚りをとめ、カセにまとめなおします。
今日のレクチャーはこれにて終了!
この後、『精練』を施すと、固かった生糸が、やわらかな絹糸になります。
生糸は、繭をかためるニカワ質の物質『セリシン』に覆われているため
何もしないままだと、『白髪!?』と思うほど固いです。
このセリシンを取り除いてやわらかくする作業が『精練』です。
12/14には、精練のワークショップを開催する予定です。
今回は酵素を用いた精練の方法をレクチャーします!
日時:12/14(木)10〜15時 (昼食1時間)
講習料:8,640円
定員:4名 ※11/27現在残席2
お申込:ton-cara 布施まで
TEL:027−368−2370
e-mail:mail@ton-cara.com
第三日曜日は、坂田先生の機織り教室。
この日は、卓上機にかける経糸の整経作業がありました。
整経は、機にかける経糸をひきそろえ『綾』をとりながら、
必要な長さの分だけ手でのべる作業です。
前回整経を終え、筬通しを終えた方は、織りに入りました。
この日は、県外から来られて紬糸作りのレクチャーを受けられる方も。
紬糸は、繭を煮て作った『真綿』の繊維を手で引き出して作る糸です。
『真綿』というと、木綿わたと誤解されがちですが、絹のわたです。
釘をたくさん打った回転する円盤を利用して糸をひきだします。
この紬台を使う方法は、久米島の方法の流れをくむものだそうです。
作った紬糸は『おぼけ』に貯めてゆきます。
糸を抑えるためのお豆が可愛いです。
10時から15時まで、あいだお昼をはさんでこれだけの量がひけました!
坂田先生の機織り教室は毎月第一月曜・第三日曜です。
※12月第三週は変更があり、12/18(月)開催予定です。
紬糸作り、高機体験は、教室開催日で行うことができます。
ご興味ある方は、ぜひお問合せ下さいませ。
TEL:027-368-2370
担当:トンカラ 店主フセ
11/17は蚕絲館さんの座繰りワークショップでした。
養蚕ワークショップに参加された方が
ご自分で収穫した分の『ぐんま黄金』で糸を引かれるという事で
ほかの参加者の方もぐんま黄金で糸を引いてみることになりました。
ぐんま黄金は鮮やかな黄色が特徴です。
精練すると、淡い鳥の子色になります。
これ以前にも座繰りワークショップに参加されているO様は、
今回節糸作りに挑戦。
節糸は、鍋にかける弓や箒などの使う道具も異なります。
ご自分で買われた座繰り器で引いてみられました。
この日は暖かな小春日和。
秋の日差しに湯気が揺らぎ金色の生糸が美しく映え、
極楽に来ちゃったのか思うほどでした。
飛騨から遠い道のりを経てやって来られたA様は、
公民館で古い暮らしの道具を使った講座を企画運営してらっしゃいます。
17日は泊まり込み、翌日はおひとりでおさらい。
二日連続で行うと、やはり翌日はスイスイできますね!
ひとりで生糸を引きました!
出来上がった糸を愛しそうに見つめるまなざしと笑顔がとても素敵でした。
手織り おもとやさんの和棉の教室。
この日は、機織りにかける経糸を糊付けするレクチャーがありました。
からっと晴れた天気の良い日にしたい作業ですが、
なかなか天気に恵まれず、飯塚先生が週間天気をにらみながら日にちを選定、
ついに決行です。
糊に使うのはしょうふ糊。
のりの鍋の中で、糸をよくなじませます。
糊づけした糸を青空の下で干します。
海洋生物の干物のよう。
干し終わったら畑で収穫作業。
綿花も盛りはすぎたよう。
このところ晴天が続いたので、綿花もふっくらと開いていました。
午後は糸紡ぎの作業です。
坂田先生の機織り教室。
習い始めは、先生があらかじめ経糸をかけた卓上機で織っていましたが、
慣れてきたら、経糸の準備も自分でおこないます。
整経台をつかって経糸を必要な分用意し、
卓上機の筬に通してゆきます。
どうやらトラブルが発生した模様。
経糸の入れる位置をどこか間違えたよう。
がんばって。
『できたーー!終わったーー!!』
トラブルを経て、経糸を全部通し終え、うれしそう。
今日はとりあえず、ここまで。
この先も長いので、気長に楽しみましょう。
出来上がりは、こんな風になる予定。
この回では、経糸の準備と共に、織りあがった後のウールの縮絨の方法や
経糸と横糸の配置による柄の出方を学びます。
この一枚が小さな柄見本帳になっているというわけです。
のちのち、きっと役に立つでしょう。
次回の機織り教室は、11/19(日)。
織りと併行して紬糸作りのレクチャーがあります。
真綿(絹のわた)を写真のように手で引き出し、糸にして作りためてゆく根気のいる仕事。
紬糸作りは4名様まです。
半日4,000円、一日(10-15時)7,000円
材料費別途(真綿は500円くらい)
ご興味ある方はton-caraまでお問い合わせくださいませ。
TEL:027-368-2370 担当:ton-cara店主・フセ
e-mail:mail@ton-cara.com
秋です。秋も深まってまいりました。
この日は、秋らしくどんぐりを使って染めました。
使うどんぐりは、コナラとクヌギ。
どんぐりの種類と、帽子の部分『殻斗(かくと)』、皮、中身のナッツとで、色の出方も違うそう。
ナッツと皮とをわけるには、金づちで地道に叩いて、むいてゆきます。
これはクヌギの帽子、『殻斗』を煮出しているところ。
お昼です。今日はポークソテー。
受講されているHさんが、先月の重ね染めで染めた糸を使い、早速織り上げてお持ちになりました! 早い!かわいい。
これが先月染めた糸。茜と栗です。
ご自宅でもガンガン実践され、織られるので、お話を聞いていてもとても勉強になります。
コナラの皮、アルミ媒染。
お天気が良かったので、引き染めも。
素材が綿や麻だったので、アルミ媒染は淡いベージュに。
鉄媒染は、青みがかったグレー。
Hさんは、この糸でまた来月までに織りあげちゃうのかしら。
11月の草木染教室は、11/28に型を彫って染める型染、11/29にキブシを使った浸し染めを行います。型染は何回かにわたっての講習となります。
お申込みは、ton-cara 担当フセまで。
TEL:027-368-2370
e-mail:mail@ton-cara.com
10/13、岡谷蚕糸博物館の見学会を開催しました。
蚕絲館さんにておこなった、晩秋蚕の養蚕ワークショップの打ち上げとして企画したものですが、ワークショップを体験されていなくても、ご参加いただけます。
蚕絲館さんが、館長の高林さんにお願いしてくれ、
館長さんが自ら時間をかけて丁寧に解説してくれる、スペシャルツアーが実現しました!
これは明治の頃のフランス式繰糸機。富岡製糸場で使用されていたものだそう。
現存するものはこれだけ。
現物はここでしか見られません。
『この道具は何に使うものですか?』
『これはどうやって使うのでしょうか?』
そんな質問にも、高林館長は一つ一つ丁寧に教えてくださいました。
そしてこれは、諏訪式繰糸機。
フランス式のものを改良したものです。
この椅子に座って繰糸します。
フランス式は、鍋の部分が銅で出来ていましたが、
銅は、生糸に銅が付着してしまい、その後の精練や染めに影響を及ぼしてしまうため、諏訪式は陶器の鍋に改良したそうです。フランスではなぜ気づかなかったんでしょうね。
また、大きさも、小柄な日本人に合わせたサイズになっています。
そのほか、機械製糸以前の手挽きの道具や座繰り器が展示されています。
多条繰糸機。生産量を上げるために回転数を上げると、糸の質が落ちてしまいます。
そこで糸を引くスピードはゆっくりながら、巻き取る小枠の数を増やす繰糸機が開発されました。
この繰糸機は、御法川(みのりかわ)三郎さんという方が開発したので御法川繰糸機と呼ばれています。この繰糸機で生産された生糸はアメリカで大変もてはやされたそうです。
この博物館内では、宮坂製糸さんが実際に稼働している様子をつぶさに見学できるのも大きな魅力です。
宮坂製糸さんの上州式繰糸機↑。モーターによって回転する小枠に生糸が巻き取られてゆきます。
これ↑はその動画です。
ちなみに、手まわしによる上州座繰り器は、こんな感じ↑。
ton-caraで行われた蚕絲館さんのワークショップの映像です。
これ↑は宮坂製糸さんの諏訪式繰糸機。
↑その動画です。
この上州繰糸機では、節糸をつくるため、少量の玉繭(2頭のお蚕さんが一緒の繭を作ってしまったもの)を混ぜて製糸していました。
館長さんの指示棒の先に小石丸の繭がくっついているのが、とても気になっていましたが、
指示棒の先の小石丸を使って、玉繭と大きさや形の違いを説明してくれました。そうやって使うのですね!
ちなみに、写真がブレてしまっていますが、館長さんのネクタイピンも、シルクで編まれたお蚕さんなのです!
なんというこだわり!!
自動繰糸機についても、機械を動かしたり止めたりして、その仕組みや歴史を丁寧に解説してくださいました。
ここではニッサンの自動繰糸機の仕組みを、こんなに間近にじっくりと観察できます。
自動繰糸機のケンネルは、このようになっていたのですね!
また、諏訪式繰糸機、フランス式繰糸機の実演も大きな魅力です!
これは諏訪式繰糸機。
学芸員の林さんが長年の研究と経験に基づいた解説と共に実演してくれました!
ほんとスゴい貴重なお話でした。
これはフランス式繰糸機。仮撚りの部分が諏訪式や現代の自動繰糸機と異なります。
このようなよりかけ方法を『共撚り』といい、バランスをとるのが難しかったそうです。
これはイタリア式繰糸機。撚りかけ方法はケンネル式。
ただ、イタリア式は糸の巻き取り方は、日本の気候には向いていなかったようです。
日本にあった繰糸機を開発する上で、数知れない試行錯誤や研究があったのですね。
見学は、2時間ほど見ていましたが、1日かけても足りないくらいでした。
高林館長始め、博物館の皆様、宮坂製糸の皆様、またこの見学会を企画してくれた蚕絲館さん、
本当にありがとうございました!
またこういった見学会は企画してまいりたいと思います。
見学会後の昼食会は、御うな小松屋さんの『御うな御膳』でした。
うなぎのひつまぶしに、鯉の洗い。
つけあわせにイナゴの佃煮がありました。
東さんが、
『イナゴとうなぎを一緒に食べるとお蚕の味がしますよ!』と、新たな発見を教えてくれたのでした。
東さんはいつでもどこでも研究熱心です。
綿花はぱっくりと開いて、とってくれー!と言わんばかり。
伯州綿、収穫の季節です。
一日でこんなにとれました!
この日は、受講された方がご自分で育てたわたを、
トンカラの道具を使って綿繰り。
この道具がないと、綿を収穫しても種と繊維を選別するのが、
とっても大変なのです。
そして、しのを作って糸紡ぎ。
綿の実、ドンドン弾けていますから!
こちらは、蚕絲館さんの養蚕ワークショップで10/4に繭かきをした、『ぐんま黄金』の繭。
あざやかな黄色が特徴です。
今回、養蚕ワークショップに4日以上参加された方は、2.4kgのぐんま黄金の繭がプレゼントされます。量としてはこんな感じです。
この繭、この時点ではまだ生きています。
10/7、8の座繰りワークショップでは、生のまま煮て生糸をひく『生繰り』を行うことになりました。
生繰りは10/8が限度だそう。
それ以上おくとお蚕さんが羽化して蛾が出てきてしまいます。
このケースには、100粒入るようになっていますので、数を数えて座繰りの部屋へ。
農家さんが繭の出来を量るための道具です。
最初に東先生のお手本です。
お鍋の中の繭を一定量に保つ必要があるのですが、薄くなった繭をのぞいて、
新しい繭をたすのにコツがいるのです。
練習用に9粒で引いた生糸。きれいです。
みなさん、遠くから来られてとても熱心。
一番遠い方は香川から!
遅くなってもカラカラと座繰りをあやつる音が響きます。
この日は泊まり込みで遅くまで作業されました。
翌日は、いつものまっすぐな生糸と違って節が独特の風合いを生む、
『節糸』にチャレンジする方も。
節糸を作る場合、鍋にかける『弓』の形がことなります。
また通常のまっすぐな生糸では藁から作られた『みご箒』を使いましたが、
節糸では『もろこし箒』、と道具も異なってきます。
つねに繊維をつけてやるので、右と左手が忙しいです!
(ちなみに、『節糸づくり』は何回か受講された方へのご案内となります)
お昼は、舞茸をいただいたので、舞茸の炊き込みご飯とマグロのフライです。
写真では見えにくいですが、節糸はちょっとポコポコした『節』があります。
小枠にまいた生糸をかせに巻き取りなおす、『揚げ返し』。
生糸が輝いています。
白い生糸は、いつもの講習でつかう『ぐんま200』。
春の養蚕ワークショップに参加された方が、ご自分の収穫された繭で引きました。
ぐんま黄金の鮮やかな黄金色。
生糸をやわらかくする『精練』を経ると、このあざやかな色は失われ、『鳥の子色』といったような、
淡い、やさしい色合いになります。
通常の座繰りワークショップでは、白い『ぐんま200』を使いますが、
10/20(金)、10/21(土)の座繰りワークショップでは、養蚕ワークショップで収穫したご自分の『ぐんま黄金』で講習を受けられる方がいらっしゃいますので、
一緒に『ぐんま黄金』で引くことが可能です。
特に10/20は、現在(10/8)まだ最小遂行人数に達していないので大募集中!!
繭を煮て糸を作ってみたい方、この鮮やかな色を体験したい方、ぜひぜひご参加くださいませ。
お問い合わせは
ton-cara 布施まで。
TEL:027-368-2370
9/11から蚕絲館さんにて始まった晩秋蚕の養蚕ワークショップ。
10/4はいよいよ繭かき。繭の収穫です。
写真は選繭(せんけん)。
ボール蔟(まぶし)の繭を光に透かし、質の悪いものをはずしてゆきます。
午前中の選繭がおわったら、昼食。話の流れで、蚕の佃煮が出てきました。
奥の小鳥は蚕絲館さんの楊枝マシーン。
レバーを引くと小鳥が楊枝をくわえて差し出してくれます。
小鳥が可愛く楊枝をさしだしてくれても、
過去、お蚕の佃煮ひとつだけ食べてギブアップした苦い思い出をもつ私は、よう食べられなんだ。
午後はいよいよ集繭(しゅうけん)。繭かきです。
平石先生が持っているのは手動で繭かきをするレトロな道具。
むかって左は毛羽取りの機械です。
上のように押し出してゆき、毛羽をとります。
しかしこれだけの数をシャコンシャコンと手で押し出してゆくのは、あまりにも大変。
ですので、『マユクリン』という、繭かきと毛羽取りを同時に行う機械をつかいます。
タイミングを間違えると、蔟も繭もつぶされてしまいます。
慎重に。
稼働している様子です。
着々と作業は進みます。
収穫した繭の山が出来てゆきます。
ぐんま黄金のあざやかな黄色が美しいです。
いっぽう、こちらは藁蔟からの繭かき。
藁蔟は、ボール蔟以前の蔟です。
蚕絲館さんでは、回転蔟から落ちてしまったり成長が遅かったり発育が良くないお蚕さんを入れてあげる、通称『病院』です。
藁蔟から収穫した繭は、レトロなこの手動の毛羽取りで毛羽をとります。
お蚕さんが繭を作るときに足場として吐いた糸が繭の周りにモヤモヤとついているので、これで取ってやります。
収穫した繭の山。
黄色い糸を吐くぐんま黄金の繭です。
お蚕さんは生きているので、体温で蒸れてしまわないよう真ん中をくぼませてあります。
この養蚕ワークショップに4日以上参加された方には、修了証をお渡ししました。
この日いらっしゃれなかった方は、のちほどお渡しします。
9月11日から10月4日まで、長い期間の大仕事、お疲れ様です!
このぐんま黄金は、10/7~8の座繰りワークショップで生糸に。
その様子はまたご報告します。
10/20(金)、10/21(土)も座繰りワークショップがありますので、
気になる方は、ぜひ参加してみて下さい。
特に10/20は、ご参加希望の方があるのですが、最小遂行人数にまだ達していないので大募集です!(10/8現在)
来年の養蚕ワークショップ【春蚕】は5/20~6/12を予定しております。
↑↑↑こちらもぜひチェックしてみて下さい。
10/4、終了予定の養蚕ワークショップ、
その打ち上げとして、10/13(金)、岡谷の蚕糸博物館見学会を企画いたしました。
蚕糸博物館内では、併設の宮坂製糸さんの実際に稼働している様子も見学いただけます。
しかも館長さんじきじきのご案内です!
養蚕ワークショップご参加者様のみならず、
ご興味ある方の参加もOK。
ご家族・お知り合い・お友達等、お誘い合わせの上ご参加くださいませ。
◼日時: 10/13(金) 10:30 岡谷蚕糸博物館現地集合、
午前中蚕糸博物館見学の後、昼食はうなぎの会食!
◼料金:養蚕ワークショップご参加者の方は入館料(500円)、昼食(3,600円)の実費のみ、その他一般の方は5,000円税込(昼食・入館・解説料含む)
◼お申込み:ton-cara 布施まで。
TEL:027-368-2370
※お車のご協力できる方があれば、お願い致します。
ご参加の場合は10/9(月)までにご連絡くださいませ。
繭を作るときが近づくと、お蚕さんの体は透きとおってきます。
こういうふうになったお蚕さんを『熟蚕(じゅくさん)』と言ったり『ずう』と呼んだりします。
体の中が、絹になる物質で満たされた状態になります。
お蚕上げの時、うっかり踏むと、中からマロニーちゃんみたいなものが出てきます。それが、絹のもと。
今回は黄色い繭をつくる品種なので、マロニーちゃんも黄色です。
今日は、時が満ちたお蚕さんたちを、繭を作るための部屋、『簇(まぶし)』にうつしてやります。
『上簇(じょうぞく)』と言ったり、『お蚕上げ』と言ったりします。
『一斉上簇でーす!』という平石先生の宣言。
満漢全席のような、、、それはもう、お祭り騒ぎのはじまりです。
いや、まじめに作業なんですけど。
もたもたしていると、みな糸を吐き始めて大変な事になります。
飼育台の柵が取り払われました。
これで作業がしやすくなります。
お蚕さんがくっついた桑の枝を『条払い機』でふるい、
お蚕さんを振るい落して集めてゆきます。
春蚕の回では、私は写真を撮る側に専念しましたが、今回は大変そうだったので、ちょっとだけお手伝い。柵に残ったお蚕さんたちを拾い集めてゆきます。
お蚕さんを拾う『カルトン』というお皿。
これは作業をする上で軽いものがよいようです。木の皿だったり、和紙を張り重ね漆を塗ったものだったり。カルトンひとつだけとっても養蚕道具はいろんな工夫が感じられて面白いです。
黄色い繭をつくる『ぐんま黄金』のお蚕さんたちは、熟蚕の状態では体が黄色く透けています。
一回の簇に振り分ける量を計測。
モロモロモロ。。。、と簇に振り分けます。
簇です。
椅子取りゲームのように、自分の部屋を探すお蚕さん。
簇が回転するように吊るします。
これが回転簇(かいてんまぶし)。
お蚕さんは、上に登る習性があります。この習性を活かし、上に登ったお蚕さんの重みで簇がクルンとまわります。
すると空き部屋が上にくるので、部屋には入れていないお蚕さんたちはまた上にのぼり、空き部屋に収まるという仕組み。
午後9時半になりました。
朝9時から、間に休憩は入れていますが、長丁場です。。。
繭かきは10/4の予定です。
本当にご参加されたみなさま、お疲れ様でした!
明日はいよいよお蚕上げ。
お蚕さんも、こんなに まるまると大きくなりました。
今回育てている『ぐんま黄金』は、黄色い繭をつくります。
お蚕さんは黄色くないですが、脚が黄色いです。
イヤンイヤンと体をひねるお蚕さん。
お蚕上げをひかえ、夕べのうちに網が入れてありました。
この上から桑を与えることで、お蚕さんたちが網の上にあがり、作業がしやすくなります。
桑も、最終段階では並べる向きが異なります。
これはその、説明図。
お蚕上げをひかえた今日は、桑は横方向に入れてゆきます。
ここはクワゴの部屋。桑についていたクワゴ(野生の蚕)は、ここに保護しています。
すでに繭を作っているものもいます。
黙々と桑をいれてゆきます。
写真撮りながら、ついおしゃべりをしてしまう、フセ。
すいません。。。
おしゃべりとは思いつつ、聞いてみると
お蚕さんを育てる飼育台の工夫や、その歴史と変遷も教えてもらえるので面白いです。
桑、全部入りました!
そして畑へ!
今度は桑を採りに!
忙しい! それだけ食欲が旺盛なのですね。
午後も桑摘み。
背の高い桑がどんどん刈られてゆきます。
シャコンシャコンとハサミの音がひびきます。
1束、12kgくらいあります。
女子ながら、頭上運搬を軽々とおこなう東先生。
さて、明日はいよいよお蚕上げ。
お蚕さんたちを、繭をつくる『簇まぶし』にうつしてやります。
長丁場ですから、今日はよく寝ましょう!
草木屋 染の杜 山崎杜人先生の草木染教室。
今日は単色を重ねて複雑な色合いをめざす、重ね染めの実践です。
まず、材料の採集。
桑は鮮やかな黄色が染められます。
藍。
生葉染めには季節が進みすぎてしまっていますが、きれいな青が出ました。
山崎先生、船頭さんのように見えますが、栗をたたいて落としています。
イガを煮ています。
青いイガで染めると、青みがかったきれいな黒が出るそう。
媒染中。。。
ランダムに染めたいので、ねじってあります。
きれいに発色しました。
生地も染めます、、これは単色で。
青みがかったきれいな黒に。
茜も重ねます。
糸染めの方はこんな感じ。
この糸を使って織ったら、どんな風に色が出るんでしょうね。
楽しみです。
ストールはこんな感じになりました。
左のストールは栗と茜、右側は桑と茜です。
くしゅくしゅっと丸めると、ハワイアンな色合い。
重ね染めについては、
単純に『この色とこの色を掛け合わせるとこの色になるだろう。。。』という推測は必ずしも当てはまるわけではないようです。
掛け合わせるときは、何を最初に染めたらよいかなど、詳しいノウハウを教えてもらえたりして、よかったです^^
次回の草木染教室は、10/17(火)、10/18(水)。
素材はどんぐりです。
こういう感じで染めたい!という希望がある方は、
その旨お伝えください。
山崎先生、そういう希望があるとうれしいそうです。
お申込みはton-cara 布施まで。
お待ちしておりまーす。
お蚕さんは5齢に入り、桑の収穫も忙しさを増している模様。
それにしても桑の成長って早いですね。
春の養蚕でバッサバサ採ったのに、もうあんなに伸びている!
蚕室は。。。
5齢のお蚕さん。
こんなに大きくなった!
無心に桑を食べています。
『どうしてそんなに桑を食べるの?』と聞いたら、
きっと『そこに桑があるから』と答えるでしょう。
お蚕上げは、9/26。
それまで、どんどん桑を食べます。
人間も大忙し。
もうすぐ台風がやってきます。
今日は雨の予報だったので、
桑摘みは昨日のうちにすませてしまったそう。
今日は給桑と、簇の組み立てを行う予定です。
4齢のお蚕さん。
ただいま、こんな大きさ。
もうすぐ眠にはいるそう。
東先生より、桑のやり方についてのレクチャーです。
時々ドクガがいるから刺されないよう気を付けて!
お腹がいっぱいになったのでしょうか、休んでいるお蚕さん。
そのまま眠に入るのかも。
外には大きなかたつむり。
暖房をつけ、蚕室の温度をあげてやります。
それから2階で簇の組み立て。
簇(まぶし)はお蚕さんが繭を作るための
集合住宅みたいなものです。
これは藁簇(わらまぶし)。
ボール簇以前の簇です。レトロな感じですが、
意外にもこの形は大正以降だそう。
蚕絲館さんでは、回転簇から落ちてしまうような
足の弱いお蚕さんや発育の悪いお蚕さんが
繭を作るように使用しています。
通称『病院』!
ボール簇を木の枠にはめこんでゆき、回転簇を組み立てます。
組み立てられた回転簇たちが、
出動の時を待っています。。。
予定では9/26。
その日がお蚕上げ!
漢字でいうと上簇(じょうぞく)です。
今日は手織り おもとやさんの和棉の教室でした。
綿の実もはじけ始めています。
背が高いものは、チョキチョキ詰めてゆきます。
今年の夏は雨が多く、幹もほそめ。
倒れてしまった木は
起こして土を寄せてやります。
綿の実は はじけ始めたばかり。
収穫のシーズンです。
傍らでは栗の木も、実りの時期を迎えていました。
栗もついでに収穫!
朝とった栗は、お昼の栗ご飯に。
豆腐ハンバーグと一緒にどうぞ。
午後は糸紡ぎ。
そろそろ紡いだ糸もたまってきて、
もうすぐ織りに入れそう。
9/11に蚕絲館さんにやってきたお蚕さん。
今日は『眠みん』に入っています。
脱皮の時に、みな天を仰ぐように上をむき、動かなくなるのです。
上からまぶされた石灰は消毒のためと、石灰をまいて桑をしおらせることで、
早く脱皮をしたお蚕さんたちがモリモリ食べださないよう
成長の速度をそろえるためだそう。
午前中の、映像をまじえた座学がおわったら桑摘み。
今日は暑いから、がんばりすぎないよう気を付けて。
本日は1名の方がご参加。
養蚕ワークショップは期間が長いので、
ご自分の都合のよい日に参加して頂いています。
Oさんは、機織り歴も長く、
座繰りワークショップも参加されています。
今回ご自分で育てた繭から糸を作られる予定です!
収穫した桑は貯桑場へ。
この眠があけたら、4齢。
お蚕さんの成長にあわせ、
どんどん桑を採る量もふえてゆきます。
でも眠のときは眠の時で、簇を組み立てたり
やることはあります。
期間中単日での参加も受け付けていますので、
ご興味ある方はぜひ、どうぞ!
お問合せは
担当:ふせ まで
2017年晩秋蚕・養蚕ワークショップ始まりました!
今日は朝から桑きり。
お蚕さんを迎える準備です。
切った後の樹形を考えながら、どんな枝を切るか、
どのように切るか、平石先生の説明です。
畑のクワゴが聞いています。
このひとは、お蚕さんのご先祖さん。
剪定ばさみに慣れるにも、わりと時間がかかります。
でも春蚕のワークショップに参加されたKさんは、サクサク。
みなさん、黙々と桑をきってゆきます。
今日は午前中2束とればよいとのことで、午前中の桑摘みは終了。
また午後に明日の分、2束をとります。
天竜式剉桑機。桑切りカッターです。
これで桑の葉を刻んでやります。
お蚕さんは3齢でくるので、
そこまで細かくしなくてよいそう。
みんなで葉っぱをしごき、枝と葉をわけてゆきます。
そして安中農協へ、お蚕さんをお迎えに!
ぐんま黄金です。
3齢まで富岡の小野というところにある
『稚蚕飼育所』で育てられ、ここで配蚕されます。
お蚕さんは、ウイルスなどにとても弱いため、
小さいうちは稚蚕飼育所で無菌状態で育てられます。
むかしは字ごとにたくさんあったそうですが、
だんだんなくなってゆき、
この安中の稚蚕飼育所も稼働はしていません。
中を特別に見せて頂きました。
この壁のむこうに完全クリーンルームがあり、
そこからレールの上を流れてきたお蚕さんを人間が世話をしてやり、
また壁の向こうに帰ってゆく、という仕組みだそうです。
さて、お昼です。今日はとんかつ。
朝とった初物の栗もありますよ。
蚕座にひろげたお蚕さんたち、
網をかけてゴミや育ちの悪いものと分けてやります。
『フセさんもやってみる?』といわれ、
ウキウキとさせてもらいましたが、
さっそくしくじりました。すいません。
網でつったお蚕さんたちに、桑をくれます。
今回は成長度合いも
わりと良い感じにそろっているそう。
もう上がってきている!
大きさは、こんな感じ。
こまちは、かごの中で猫鍋のようになっておりました。
今日よりはじまった養蚕ワークショップ、一日のみの受講もOKです。
4日以上の参加だと『ぐんま黄金』の繭1500粒、
一日参加だと150粒のプレゼント付きです。
まだ受付大丈夫ですよー。ご興味ある方は、ぜひご連絡ください。
ちなみに、10/7,8の座繰りワークショップでは
この繭を新鮮な生のまま、生糸にひく
『生繰り』が体験できます!
お申込み、お問い合わせは
ton-cara
ふせまで。
蚕絲館の東先生のレクチャーで、この日は真綿作りのワークショップを開催しました。
『真綿』は、繭からつくったわたの事です。
むかしは『わた』といえば、
繭から作ったものが当たり前でしたが
江戸時代以降、木綿わたが普及し、
それを『わた』と呼ぶようになったので
絹のわたは、『ほんとうのわた』という事で
『真綿』と呼んで区別するようになったそうです。
繭は、重曹をくわえ、鍋で煮ておき、やわらかくします。
やわらかくなった繭は、水の中でチョイチョイとたたきながら、
広げてゆきます。『水まんじゅう』と呼んでいました。
繭をひろげてひっくり返し、
こんな風に五つの繭をひろげて重ね、
指にひっかけてゆきます。
そして角真綿の枠にひろげてゆきます。
なかなか大変。
力をこめて四方にバランスよくのばしてゆくのですが、難しいのです!
東先生が用意してくれた昔の文献には、
座繰りよりも真綿作りの方が習得するのに
時間がかかったとかいてあります。
体験された方々も、口々に難しい!!とおっしゃっていました。
5粒の繭を広げてかさね、それを4回繰り返し、で1セット。
水気をしぼり、たたみます。
このように三角にたたむ方法も。
真綿の油気をぬくため、中性洗剤を含んだ
水につけておくことがあるそうなのですが、
その時にせっかくつくった真綿が
水の中であばれてゴチャゴチャに
なってしまわないように、とのことです。
真綿作りの知恵です!
真綿は、とても軽くて暖かく、体に負担がすくないので、掛布団やはんてんの中身に使われました。
店主フセも真綿のふとんを使っておりますが、ほんとーーに心地よいんですよ。
今回参加された方は、この真綿をひいて、坂田先生の教室で紬糸をつくるそうです!
楽しみです。
真綿作りワークショップは、3名様以上のお申込みで定期講習日以外でも開催できます。
ご興味ある方は、ぜひお問合せ下さいませ。
ちなみに、次回の座繰りワークショップは、10/7(土)、8(日)。
9/9現在、どちらも残席3.
両日、遠方からのお申込みを頂いていて、なんとしても最小遂行人数3名に達したい!
みなさまのご参加お待ちしております!!
お申込みは、mail@ton-cara.com
8/23は和綿の教室でした。
青い実がつきはじめています。
ここの土地はわたにむいているみたい。
近所のおじいさんも、昔わたを育てていたと言っていました。
成育がやたらよくて、ガンガン丈をつめます。
丈をつめてやらないと、よい実がつきません。
雨風で倒れてしまった茎たちも、
元の位置に戻してやります。
しかしプンプン、スゴイ蚊です。
蚊取り線香を腰に結わえながらの作業。
畑仕事がおわったら、お昼です。
今日は和風ハンバーグ。
午後はいつものように糸紡ぎ。
笑いとおしゃべりのたえない和綿の教室。
その昔、糸づくりや針仕事は、
女性が集まっておしゃべりしながら作業していたそう。
楽しい気持ちで作られる布は、
きっと包む人を幸せにしてくれるでしょう。
おいしいお結びを頂いた時のような、
あたたかな気持ちになります。
これは生皮苧(キビソ)糸。
キビソは繭の周りの部分の繊維。
生糸の製糸では取り除いてしまいますが、
これはこれで精練すると
ふわふわとした優しい風合いになります。
この日機織りを受講された方が蚕絲館さんで買いもとめ、
自力で精練して染めたものです。
染織は今回が生まれて初めてだそう。
この一週間トンカラを拠点に、草木屋さんの染め講習に参加したり、
上田や岡谷や高山社に糸や織りの勉強に行ったり、
撚糸の教室に参加したり、
それと並行して手探りながら、
蚕絲館さんの助言を基に
ゴワゴワのキビソをトンカラの施設を使って精練してみたり、
草木屋さんの講習を思い出しながら
ブナの木で染めてみたり。
とにかくひたむきで熱心。
そうして自力で用意したキビソの糸を使い、
この日の坂田先生の機織り教室で横糸に打ち込みます。
ブナで染めたキビソ糸はうっすらとした赤みを帯びてやわらかな色合い。
午後は繭をやわらかくして広げて伸ばした『真綿』から
繊維を引き出し糸を作る、紬糸作り。
紬糸作りは、機織り教室の番外編的な講習ですが、
ご希望があればレクチャーします。
ちなみに次回の機織り教室は8/20(日)でーす。
糸をひたすら引き出して、縒る、の繰り返し。
今回は体験のみですが、
1着分の糸を作るには膨大な時間がかかります。
2時間かけ、これだけできました。
キビソの織物も、ふさを仕上げて出来上がり。
で、できました〜〜。。。
Yさんを見ながら、この一週間、わたしも自分のことを思い出していました。
色んな方に『なんで?』『どうして?』と質問攻めにし、
変なことをたくさん聞いていたと思いますが、
どの方も快く自分の知識を与えてくれたり、
『これが知りたい・ここへ行きたい・この人に会ってみたい』ということに
惜しみない協力をしてくれました。
わたし自身はあまり何も持っていませんが、
トンカラは人と人が出会う駅、
ひとの歴史と歴史が混じり合って
和音が広がってゆくような市(いち)のような所でありたいな、
と思いました。
Yさんは、これから自分の歴史を、どう織り上げてゆくでしょう。
きっとたくさんのひとやものが、助けてくれる気がします。
座繰り器で引いた生糸。
とても美しいですが、布になるためには、この先いくつもの工程があります。
今回は、生糸にヨリをかける『撚糸(ねんし)』。
このワークショップでは、糸車を使って撚糸を体験してみます。
蚕絲館の東先生による渾身のテキスト。
まず、『撚糸』について、
座学による講習です。
座繰りで引いた生糸は、かるーーくヨリがかかっていますが、
実用に耐える絹糸にするために、糸にちゃんとヨリをかけるのです。
今回は、2本の糸を合わせて1本にし、ヨリをかける予定。
一つのカセを二つに分ける作業です。
お昼を食べて頑張りましょう。
今日はとろろ汁とマグロの煮物です。
作業再開。二つに分けた生糸を一本に合わせます。
生糸は水にしっかりつけておきます。
一本にした生糸は、糸車を使って、撚りかけます。
初めての糸車は、結構苦戦。
なかなか言うことを聞いてくれません。
生糸のくせや、糸車のくせもあり、
仲良くなるまで時間がかかります。
管に巻いた生糸は、蒸して冷ますことでヨリを定着させます。
かせあげをして、今日は終了!
お疲れ様でした。
座繰りだと、結構糸が引けるのに、糸車はあまり進まなくて、
参加された方も
『へこんだ』『全然進まない』『本当大変なんですね』
とおっしゃっていました。
今は撚糸は普通機械で行います。
でも糸作りの一つの過程、
機械任せの部分を手作業でやってみるって、
ものを作る工程がとても理解しやすいと思いますし、
貴重な体験になると思います。
これまでトンカラで座繰りをされて、
撚糸のような次の工程を体験してみたいという方があれば、
お問い合わせくださいませ。
ちなみに、次回の定期講習日は
8/17(木)18(金)
今度は通常の座繰りです。
8/17ご希望の方が、ただいま1名様いらっしゃいますが、
最小遂行人数3名様での開催になるため、
大大大募集中です!
お待ちしていまーーーす。
お申込はton-caraまで
tel:027−368−2370
ton-caraから歩いて20分くらいのところにある
鷺宮咲前神社(さぎのみやさきさきじんじゃ)は、
534年のご創建だそうで、由緒のとても古い神社です。
境内にはこんもりとした森があり、今回椿や桜を採集させてもらい、
大昔のような椿灰汁による媒染を使った桜染めの教室を開催いたしました。
講師は草木屋の山崎先生。
高枝ばさみで葉を剪定してゆき
みんなで採集します。
椿は生木のまま燃やして灰をとります。
トンカラから火吹き棒を持ってきてみました。
火吹き棒、威力、素晴らしいです。
椿灰から灰汁をとります。
灰汁は濾してゴミや上澄みを使います。
草木染めをする時は、色を定着させる
『媒染ばいせん』を行います。
今は精製された鉄やアルミなどの重金属を使いますが、
昔はこのように椿灰汁を利用するなどしていました。
椿の葉は、アルミを蓄える性質を持っているのだそう。
大昔の人は、どうしてそれに気がついたんでしょうね。
同時に桜の葉も採集。
煮出します。桜餅の香りが漂います!
葉からも桜色が取れますが、枝を煮出しておいておき、
赤みが増した染液も使いました。
しまった。
麦茶が置いてあったところに染液や媒染を置いたから、
『ご自由にお飲み下さい』の下げ札がそのままだ。
飲んじゃいけません。
染めと洗いと媒染とを繰り返して。。。
じゃーーーーん。
こんなに大物も染まりました。
フラダンスのスカートに使われるんだそう。
こんなスカートで踊れたら素敵ですね。
それぞれ皆さん、染めの作業を行います。
これは蚕絲館の東さんが引いた生糸。
見事な桜色。
発色しにくい木綿も、重ねて染めることで
濃い色を得られました。
(右が重ね染め前、左が重ね染め後)
桜は、水に対しての染料の量を多くすることで、
こんな鮮やかな黄色を得ることができます。
桜色と黄色のこんなグラデーションも。
染め上がったものは、
宮司さんに祝詞をあげてご祈祷してもらいました。
鎮守の森の恵みの色、素晴らしい色合いに染め上がりました。
とても楽しい教室でした。
神様、宮司様、関係者のみなさま、ありがとうございました!
次回の草木染め教室は9/19(火)・20(水)。
藍・茜・桑・五倍子を使って重ね染めを行います。
色を重ねることでどんな染め上がりになるでしょうか。
お申し込みはton-caraふせまで。
碓氷製糸さんは、国内最大の生糸の製糸工場。
蚕絲館さんで20日間にわたっておこなわれた
養蚕ワークショップの打ち上げとして、
碓氷製糸さんを見学するツアーを開催しました。
せっかくなので、養蚕ワークショップに
参加されていない方にもむけて募集をしたところ
予想以上のご応募があり、多くの方が関心をよせている
産業であることを感じました。
解説の係の方が、案内をしてくれます。
碓氷製糸さんは、『碓氷製糸農業協同組合』という農協組織でしたが、
養蚕農家である組合員の減少や高齢化から、今年株式会社になりました。
県内外から運ばれてきた繭が、ここに集まります。
奥には各企業名が印字された繭の袋。
この袋にパンパンに詰めると、15kgになるそうです。
繭は『俵』で数えます。1俵はだいたい60kg。
いまは繭の収穫量も生産量も減って、
一日1俵も使わないそう。
運ばれてきた繭は、ここで熱風にかけ、乾燥させます。
この過程で、中の蛹は死んでしまいます。
二階へ続く、長い階段とベルトコンベアー。
繭倉庫に繭をはこぶものです。
選繭(せんけん)。悪い繭をチェックし取り除きます。
煮られた繭は、お蚕さんが吐き始めた
周りの部分の繊維『きびそ』をとってから製糸されます。
下は手作業による座繰りの動画。
どちらも同じ『みご箒』が使われています。
これは繭の小さい『小石丸』用。
『きびそ』です。きびそは漢字で書くと『生皮苧』。
生糸にはなりませんが、化粧品などに使われるそう。
この糸も織物に使うと面白い風合いのものができあがります。
生糸の製糸機械。富岡製糸とほぼ同型の機械が現役で稼働しています。
キビソ(繭のまわりの部分の繊維)をとった繭は箱に入れられ
グルグルと機械のまわりを回ります。
製糸の機械は、繭が薄くなったりして生糸が細くなると
レバーをピューと伸ばし箱の中から繭を補充します。
ここでは、だいたい7粒くらいの繭から生糸を引いています。
糸が細くなったりしたら、この黄色い箱から補充されます。
ちなみにこれは手回しの座繰り。
手作業による繭の補充はこういう感じです。
途中で糸が切れてしまった繭たちは、
回収されて、また最初からやり直し。
製糸された生糸は大枠にまき直し、『かせ』にします。
座繰りと養蚕の講師をしてくれている蚕絲館の東先生は、
座繰りをするために群馬に来て、碓氷製糸でしばらく働いていました。
『ここで夜、真っ暗な中、揚げ返しの練習してたんですよー』と聞いて、絶句。
見学してみると実感できると思いますが、
女子ひとり、ここで時を過ごすのは、こわいです。。。
東さんには絶句させられてばかりです。
かつて、生糸は日本の経済を支える大事な輸出品でした。
海外に出すクオリティの生糸を機械製糸により生産していたのですが、
昭和37年、生糸の輸入自由化により
生産量は激減。
現在、国内で流通している絹のうち
純国産は1%にもみたない状況です。
そして機械製糸の工場は、現在日本に2社のみとなっております。
解説の方が、『若い方を入れたくても、
彼らが定年を迎えるまでに
ここが存続しているという保証がもてない』と言っていたのが印象的でした。
ちなみに、碓氷製糸の詳細なリポートは、
すでに東先生のご主人が過去にアップしています。
あのツアーの中で、どうやってこんなに写真撮ったんだろう??
というくらい詳細なリポート!ぜひご覧ください。
見学のあとは磯部簗さんでお食事会。
鮎御膳をいただきました。
東先生より養蚕ワークショップの修了証が手渡されました。
お疲れ様でした!
養蚕ワークショップ、9月は黄色い繭をつくる
『ぐんま黄金』を飼育します!
『ぐんま黄金』は今回とりかかったら
しばらくは育てないそうですよ。
ワークショップ期間中、このようなツアーも
開催したいと考えております。
ご興味ある方は、ぜひお問い合わせくださいませ!
お申込み・お問合せは
7/18-19の草木屋さんの草木染教室は藍。
生葉では多色染め、
干し葉で青を染めます。
生葉ではまず50度のお湯を用意します。
生の葉と50度のお湯とで
密閉すること2時間。
藍の葉が持つ酵素反応を利用するそうです。
2時間経過。
葉を取り出した水はうっすらと色づいています。
そこからバリエーション展開。
さきほどの液を煮立たせたり
生葉をミキサーにかけたものを加えたり
アルミ媒染をしたり
それにしても暑いです。
アルミ媒染の写真取り忘れました。
ごめんなさい。
生葉で染めたストール。
綿なので発色は薄めです。
藍の生葉からこれだけの色が!
二日目は干し葉藍。
藍の葉を乾燥させたものです。
生葉は今の季節限定ですが
干し葉は通年染められます。
ハイドロサルファイトとソーダ灰を加えて煮ます。
藍と桑の葉とあわせて緑色に染めたい!
という要望が初日に出まして
二日目は急きょ重ね染めも決行。
そういうリクエストを山崎先生は喜びます。
藍、反応中。
絹のストールは干し葉でこんな色に。
糸染めは桑とあわせて、めざせ緑。
これは絹。
やっぱり絹は発色しやすいですね。
これは藍の花。
とてもきれいで、何かしないともったいない。
『ふせさん、これで何か描けば?』と言われましたが、、、
アドリブに弱いフセは突然言われても
何も思い浮かばない。
藍の花は夏の暑さと共に散りました。。。
藍で染めた絹のネックウォーマー。
50度処理の染液のままで染めたもの、
それを加熱した染液や、生葉ジュースを加えたもの、
アルミ媒染を施したもの。
干し葉藍で染めたものなど。
藍からこんなに色んな色が生まれるなんて。
藍の染色条件による試験布!
毎月一枚づつ増えてゆきます。
コレクションが楽しくなってきました。
藍の多色染めは来年も行います!
気になる方は、チェックしてみてくださいね。
9月の草木染教室は9/19-20.
19日は桑の試験染織をおこない
20日には藍・茜・五倍子を用意して
重ね染めの実践をします!
お申込みはton-caraまで。
たくさんの方のご参加お待ちしておりまーす
今日は和綿の教室でした。
とても暑い中、休みながらの畑仕事です。
ここはこんにゃくの産地。
畑に過去のイモが埋蔵されているため
あちこちから、こんにゃくが勝手に生えてきます。
とってもとっても出てくるので、
どなたかほしい方がいたら
お声がけください。
ほんとに暑い。
飯塚先生の日よけ対策が、『おーい!はに丸くん』のようです。
それにしても暑い日でした。
傍らではむくげの花がまっさかり。
わたと同じアオイ科の仲間です。
わた、こんなに大きくなっているんですよ!
ほかと比べても生育がいいみたい。
近所のおじいさんが昔この辺では
わたを育てていたと言っていました。
もともとわた栽培にむいた土地なのかもしれませんね。
生育がとてもいいので、摘芯までしました。
上に伸びないよう、先の部分を摘みます。
上に伸びるとそこにパワーがそそがれてしまい、
よい綿花が育たないのです。
なんと。
つぼみが付いていました。
今年はじめて。
咲き始めは赤いですが、開くと黄色くなります。
畑仕事のあとは、講義です。
有用植物としての綿、
繊維の構造やはたらき、
世界中の綿の、いろんな種類など。
今日のお昼は春巻きでーす。
午後は糸紡ぎ。
連続して練習しているから、
きれいな糸をとても早く紡げるようになりました!
ぽつぽつと来たと思ったら、突然すごい雨。
外が雨でもうもうと見えます。
でも涼しくなってよかった。
きっと次回にはたくさんの花が咲いていることでしょう。
次回の和綿の教室は7/27(木)。
いつもは水曜ですが、今度だけ木曜になっておりますので、
お気をつけて。
お問合せ、お申込みは
ton-caraまで。
第一土・日、第三木・金曜日は蚕絲館の東先生による
座繰りワークショップ!
今日は養蚕ワークショップで先月収穫した
ご自分の繭を使う方もありました。
感慨深いものがあります。
ところで看板に使っていた謎の板は、
東先生のお知り合いの大工さんによって
雪かきの道具であったことが判明。
なぞの備品が多いton-cara。
繭を煮ています。
温度調節や蒸らし加減など、微妙なコツがいります。
うまく煮えないと糸が順調に出てきてくれません。
お湯の中で煮られた繭、
ひとつひとつから繊維がひきだされ、
なべの上の『弓』でひとつになり、
奥でクルクルまわっている
『鼓車(こしゃ)』でよりかけられ、
一本の生糸として
小枠に巻き取られてゆきます。
お昼ですよー。
今日はタイ風とりめし。
レタスは東先生が育てたものを頂きました。
ご飯を食べたら午後も頑張ります。
ガラガラガラガラ・・・座繰り器をあやつる音がひびきます。
かせに巻きなおしたものに『あみそ』をかけます。
見ていると簡単そうだけど、やってみると
『???』
な、あみそがけ。
二日目。
連日で受講される方が3名。
やはり二日連続でレッスンをすると、
身につき方が違います。
そのため座繰りワークショップは
第一土・日、第三木・金と連日で
受講できるようになっています。
連日でされていると、みなさん、
体の動きが昨日とまるでちがいます!
ところでお昼です。
今日は手作りコロッケ。
今日も蚕絲館さんのレタス登場!
たけのこと一緒に煮てあるお豆も
蚕絲館さんが育てたもの。
ごちそうさまでーす。
ご飯を食べたらがんばります。
昨日とは、手つきが違う!
二日連日効果!
目つきも違う!
二日連日効果!
だいぶ太った小枠。
通常ワークショップでは、
一日で300gの繭を引くのですが、
この日はみなさん、400gも引きました!
二日連日効果!
どーーーーん!
400gの繭から引いた生糸。
輝いています。
この後、ヨリをかける『撚糸』、
そして生糸をやわらかくする『精練』へと進みます。
はじめての方、二回目の方、
二日連続でされる方、
養蚕ワークショップで知り合われた方、
いろいろでしたが、
はじめて出会った方々も、
そうとは思えないような
楽しい時間でした。
貴重な時間をありがとうございました!
近日の座繰りワークショップは
7/20(木)、21(金)、8/5(土)、8/6(日)
残席は7/2現在それぞれ2席です。
8/5(土)は、特別講習の希望があり、席は埋まってしまっています。
8/6(日)は、いよいよ撚糸に進む方がありますので、
これまで参加された方で、撚糸をしたいという方はいかがでしょうか。
8/6は、現在残席2。
もう1席も埋まるかもしれませんので、お問い合わせはお早めに!
お申込みは
まで!
ゴールデンウィーク明けに種をまき
5/18に芽が出た和綿は
こんなに大きくなりました。
今日は肥料をやります。ちょっと遅いくらい。
まずは草取り。毎回草取り。
畝の間からこんにゃくがニョッキリ生えていました。
こんにゃくは植え替え。
寒くなったら収穫しよう。
Kさんの農作業スタイルが素敵だったので
写真撮ってしまいました。
エプロンは柿渋です。
斜めになってしまっている苗たちは、
姿勢をととのえて
今のうちに軌道をもどしてやります。
肥料は株の脇にふたつかみ。
農作業がひと段落すると、栗の木の下でお茶タイム。
いつも盛り上がって長引いてしまうので、
今日はタイマーをかける飯塚先生。
タイマーのおかげで午前中から勉強がはかどります。
今日は江戸時代の『綿圃要務』などの
文献をもとに講義がありました。
機織りをめざしての糸作りですから、
今日は機結びの練習も。
こぶが小さく解けにくい結び方。
機織りには必須です。
そして今日も糸紡ぎ。
スピンドルを使い自宅で練習されている方もあり
みなさんドンドンたまってゆきます。
おやつは差し入れにもらった びわ。
採れたてですって。
繭を引きのばして作ったわた『真綿まわた』から
ひたすら繊維をひきだし糸をつくるのが紬つむぎ糸。
この日は坂田先生が紬糸つくりのレクチャーを行いました。
(ところで『真綿』って、木綿わたと誤解されがちですが、
繭から作られたわたのこと。むかし木綿が普及する前は
繭から作られたわたを『わた』と呼んでいましたが
江戸時代に木綿が普及して、それまで『わた』と呼んでいた
絹のわたを『まわた』と呼ぶようになりました)
これが紬糸。ところどころ細かいフシがあり、
力強くあたたかみのある風合いは、
機械製糸では生まれません。
紬台に角真綿(かくまわた)をひろげ、繊維をひきだし、
キュッとよりながら、糸を作りためてゆきます。
これは郡上紬のやり方です。
坂田先生は郡上紬を再生し、有名にした
人間国宝・故 宗廣力三氏の開設した
工房で修業をしていました。
ただひたすら、繊維をひきだして糸にしてゆきます。
作りためた糸をかせ上げします。
じゃーーん。
こんなにできました!
とてもきれい。
機械を通さない手作りの糸は、
不思議なあたたかみを感じます。
この日は県外からいらっしゃった方のご依頼で
定期教室以外の日でレクチャーを行いましたが、
通常の織り教室でも要望があればレクチャーできますよ!
紬糸での織りはちょっと大変ですけど。。。
糸を作りためながら織りを習い、腕があがれば
トライできますね。
坂田先生の織り教室は第一月曜・第三日曜日です。
紬糸を作りたい場合は準備があるので
あらかじめお伝えくださいませ。
6/21・22で開催された草木染教室。
今回は五倍子と栗です。
五倍子はヌルデの木にできる虫こぶ↑↑↑。
むかしはお歯黒に使われました。
中の虫を取ってしまいます。
20分煮出します。
料理教室のようですね。
栗も煮ます。
試験布に使うのは芯材のチップです。
天然染料は、予想していた結果が出ないこともあります。
今回も途中まで『うーーーん??』と
山崎先生考えていましたが
鉄で媒染して乾かしたら予想していた結果が出ました。
ホッ?
五倍子は染料の量が多いほど発色しにくくなります。
1~4はリットルあたり20gの五倍子、
5~6はリットルあたり5gの五倍子。
その液を希釈して染めます。
それぞれで希釈の濃度をかえています。
原液の方が色が薄いという不思議。
今回は綿で染めたいという方が多かったので
試験布も木綿です。
こちらは栗。
上がアルミ媒染、下は鉄媒染。
染料が多いほど赤みが強いようです。
一日目の結果をふまえて二日目GO。
二日目は栗の採集もします。
取り払わなきゃと思っていた枯れ枝も
ついでに切ってくれました。
ありがとうございます。
採集はやっぱり楽しいです。
葉っぱと、枝と芯材。
自分の出したい色をめざして。
栗の芯材で引き染めも同時併行。
作品製作も着々と。
午後まで日にさらされていた引き染めは
鉄媒染され水で洗われ
きれいな茄子色になりました。
こちらは五倍子染め。
ところどころ紐でしばって模様を出しました。
とても素敵。
今日もみなさんたくさん染められました!
次回の草木染教室は、7/18(火)19(水)
テーマは藍!
初日は生葉、二日目は干し葉で。
生の葉は青だけではなく、抽出の仕方でいろんな色を引き出せるそうです。
干し葉を使った方法は、覚えておくと夏以外でもできますね。
お申込みは
『こういうのがやりたい!』というのが
ありましたら、あらかじめ教えてください。
お応えしますよ!
8/1(火)、2(水)の教室は、近くの咲前神社で行います。
椿と桜を採集して染める教室。
こちらもお待ちしておりまーす。
第一月曜・第三日曜は坂田先生の織り教室。
この日は整経台がはじめて活躍。
整経は機を織るときの経糸を
必要な長さ分、『綾』をとりながら準備する仕事です。
卓上機にそのまま経糸を張ることもできるのですが、
整経台を使っての整経の練習です。
この日は初参加の方もありました。
初めての方は
あらかじめ経糸がはられた
卓上機をつかって裂き織りコースターを織ります!
何度か受講している方は、
カリキュラムをすすめて
ご自分で経糸の準備から。
今回は、ウールのティーマットを織り、
全体的に縮ませる
『縮絨しゅくじゅう』まで習う予定です。
縮絨することで
フワフワ、モコモコっとした
暖かな質感が生まれます。
筬通し(おさどおし)がもうすぐ終わります。
坂田先生、よそを向いてお話をしていても、
生徒さんが間違えると
『あっ、そこ!』と言って振り返ります。
どこの目で見てるんでしょう。
不思議です。
ton-cara、家が古く隙間が多く、
網戸のない窓も多いため
虫よけアロマが大活躍です。。。
そうこうするうちに、コースターが4枚織れました!
経糸の準備がおわったウールマットも、
着々と進んでいます!
織り上がりが楽しみ。
卓上機だけでなく、
高機(たかばた)の準備もできてますよ!
高機は、トンカラ織るイメージの機織り機です。
近日中に高機体験会も予定しております。
ご興味ある方はお問い合わせください。
蚕絲館さんの養蚕ワークショップで収穫した3kgの繭!
6/12収穫したものを冷凍前に生糸にしたいという
ご要望があり、6/15・16とこの繭を使って
座繰りワークショップを開催。
3kg、どーーーん。
たっぷり引けそう。
『生繰り(なまぐり)』といって
今しかできない糸が引けます。
今しないと、このままなら、あと数日で
蛾が出てきてしまう!のです。
最初に東先生の実演と説明。
はじめは少ない粒数で練習です。
今日のお昼はコナリエさんの生パスタです。
ご飯をたべて、また再開。
カラカラという座繰り器をあやつる音。
座繰りの動画です。
お湯の中の繭は躍るよう。
二日目の講習では、この繭を養蚕ワークショップに
参加された方のお友達みんなで引きました。
糸かせが暴れないように糸をかける『アミソがけ』は、
はじめてだと手こずる方が多いです。
いつもにましてきれいな生糸。
これが生繰り!
あんなにあった繭がみんなで糸にひいて
残りこれだけになりました。
座繰りワークショップの様子は東先生もアップしてくれています。
7月の座繰りワークショップは
7/1(土)7/2(日)7/20(木)7/21(金)です。
7/1・・・残席0、 7/2・・・残席1、 7/20・・・残席3、7/21・・・残席4
やってみたい!という方がありましたら、
特に7/20にご参加いただければうれしいです。
とても遠方からいらっしゃる方があるのですが、
最小遂行人数に達しないと。。。
せめてもう1名いらっしゃれば、と思います。
気になっていた方は、ぜひぜひご参加ください。
お申込みは
お待ちしております!
毎月第二第四水曜日は和綿の教室。
この日は間引きです。
間引きは、ずいぶん悩むところ。
飯塚教室では、お互いを支えあうように、
苗を二本を残します。
それにしても梅雨というのに土がカラカラ。
雨降らないですね。
どれを残せばいいのかしら~~。
やっぱり悩みます。
畑作業がひと段落したら、木陰でお茶タイム。
トンカラのあるじにコーヒーをひかされている飯塚先生。
用事があってやってきた座繰り担当の東先生も一緒にお茶タイム。
いつも話が盛り上がり時間がおしてしまう!
遠方からいらっしゃった方もあるので
今日はガンガンやります。
これは綿打ち。種をとりのぞいた綿は繊維がつぶれてしまっています。
そこで弓をはじき、弦の振動でほぐしてゆきます。
みなさん、糸紡ぎにいそしみます。
とりあえず100gためないと次にいけないのです!
100gの糸をひくって、大変。。。
でもみなさん熱心なので、
どんどん糸がスマートになってゆきます。
糸を紡ぎ、染めて織る!!!
次回の和綿教室は6/28(水)
お申込みはton-caraまで!
お待ちしておりまーす。
2017年春蚕・養蚕ワークショップ、
20日以上にわたるワークショップも、ついに最終日。
今日は集繭(しゅうけん)、繭かきとも言って、繭の収穫日です!
蚕絲館さんへお昼頃、
ton-cara弁当をもって参じたら、
やってるやってる。
こうやって繭を光にかざし、
薄いものや繭を作る途中で死んでしまったものなど、
生糸にするのが不向きな繭を除いてゆきます。
日が翳っちゃうと見えなくなるから、
お昼あと回しにして、がんばります。
がんばりました!
やっとお昼。
最終日のton-cara弁当はかつ丼でーす。
午後は繭を収穫してゆきます。
『マユクリン』出動。
簇についた毛羽も取らなければなりません。
マユクリンは繭を枠から押し出して収穫しつつ、
毛羽もとるというすぐれもの。
↓FBにマユクリンの働きぶりの動画をあげました。↓
有能なマユクリン。
しかしタイミングをまちがえると
繭をつぶしてしまうだけでなく簇も破壊してしまいます。
緊張の一瞬。
平石先生の目がキラリとひかります。
毛羽のとれたきれいな繭が続々と出てきました。
中のお蚕さんは生きています。
お蚕さんたちの体温で蒸れてしまわないよう、
収穫した繭の山の真ん中にくぼみを作ります。
今年の繭は出来がとてもいいそう。
お天気にも恵まれました。
今度は回転簇から落ちてしまったりして
藁簇に『入院』していたお蚕さんたちの繭。
こちらは調子のよくないお蚕さんたちなので、
繭の大きさもまちまち。
マユクリンは使えません。
手動の毛羽取りで毛羽を取ります。
壮観です。
20日以上にわたり開催された養蚕ワークショップ。
色んなことがありました。
繭の収穫は、『終わり』ではなく、ここからがまた始まりです。
収穫したのは、きっと繭だけではありません。
繭と、私たちと。この20日間で得たものとともに
どんな道すじを歩むでしょうか。
この繭から糸を引き、布を織るという方も。
手をかけ、命をいただき、それを布にし身にまとうという行為は、
とても手間のかかる長い道のり。
でも、その道々でとても素晴らしい出会いがたくさんあります。
養蚕ワークショップ、秋には黄色の繭をつくる『ぐんま黄金』を育てる予定です。
ご参加お待ちしております!
連日の養蚕ワークショップ、ついに『ぐんま200』お蚕上げです。
お蚕上げは、お蚕たちを『簇まぶし』という繭を作る部屋に入れてやる作業。
『上簇じょうぞく』とも言います。
繭になる時をむかえると、お蚕さんの体は透きとおってきます。
このお蚕たちを
桑からふるい落として集め
滑車で二階に上げ
簇に振り分けていれてゆきます。
ご飯の時にもレクチャー。
いつもはお昼後2時まで休憩しますが、
今日はあまり休憩している時間がありません。
その時を迎えたお蚕さんたちは
飴色になり透きとおってきます。
体の中が絹になる物質で
充たされているのだそうです。
そして繭ごもりの前にうんちとおしっこをし、
体の中の不要なものを
振りしぼり
出してしまって
内側からすっかりきれいな状態になって
繭をつくります。
繭をつくる途中で命を落としてしまうお蚕さんもいます。
一世一代の大仕事です。
簇をあげて一夜あけた状態。
繭があちこちで出来はじめています。
先に6/3に上げた小石丸(日本の在来種)も
小さなだるま型の繭を作っています。
簇などの養蚕道具は手に入りにくくなっています。
これは藁を折りたたんで作る藁簇わらまぶしのレクチャー。
回転簇が入手できなくても、これなら藁があれば作ることができます。
ただ藁簇は、2頭のお蚕さんが一緒に繭をつくってしまう
『玉繭』ができやすいのだそう。
藁を折るだけではなくて、編む道具もあります。
ここでは藁簇は、回転簇から落ちてしまったお蚕さんたちなどが入院します。
落ちてしまったお蚕さんたちは足の力が弱かったり負傷してしまっていたりで、
また回転簇に入れてやっても落ちてしまうことが多いのだそう。
お蚕上げのあとは、落ちてしまったお蚕さんをひろったり
尿受けのそうじをしたりと、
世話をします。
そして繭はつくられてゆき、
6/12,13で繭かきをします!
つづく。
6/3、小石丸の上簇(じょうぞく)の日を迎えました。
『お蚕上げ』とも言って、お蚕さんを繭を作るための部屋、
『簇(まぶし)』に移す作業です。
上の写真は枝についているお蚕さんを
ふるい落としている作業です。
この列のお蚕さんを上げて行きまーす。
お蚕上げの部屋は2階です。
滑車を使って上げてゆきます。
事前に組んでおいた簇(まぶし)に入れられてゆきます。
お昼はカレー。ton-caraからお届け。
お昼を食べてちょっと休んだら作業再開!
量りで一定量を量り・・・
入れてゆきます。
簇を上げる作業は夜から。
簇を上げるタイミングを見ています。
待ち時間に夜食を食べながらお話です。
参加されているKさんが神奈川の骨董で買われた座繰り器(奥)を持ってこられました。
なんと蚕絲館さんの座繰り器と同じ印が記されています!
地元に戻って同じ高校の先輩に出会っちゃった感じです。
みんなでお蚕さんの『その時』を
待つ様子が『なんか出産みたいね』
と参加されたKさん。
本当にそんな感じでした。
20時半すぎになってあげ始めました。
回転簇(かいてんまぶし)。
お蚕さんの上にのぼろうとする性質を利用し
お蚕の重みでクルンと回転します。
すると空き部屋が上にくるので、
部屋に入れなかったお蚕さんがまた上にのぼり
空き部屋に入るという仕組み。
部屋に入ったお蚕さん、部屋を探すお蚕さん。
あげ終えました!
この日のワークショップ作業は終わり。
翌日、咲前神社近くの桑を取りに出かけました。
咲前神社は養蚕と関わりが深く、
蚕絲館さんの蚕室にも咲前神社のお札がありました。
みんなで参拝。
写真のお社は『絹笠様』。
絹笠様のいわれを語る平石先生。
根子石。
繭のような小石をここから借りてゆき、蚕室において
豊作になったら、一つ倍増してお返しします。
願掛けなどにも借りるそうです。
今日は桑の実も摘みます。
これはジャムになります。
ここは昔桑畑だったそうですが、放置されて森になってしまいました。
桑の実を摘んで。。。
ジャム作り。
でも、ビミョーな感じ。。。
実なのにプンプン立ち込める、
桑の葉の青い匂い。
蚕室のにおい。。。
いろいろ悩みながら、葉っぱ臭は抑えらたようです。
よかった。。。
コクのある甘みです。
参加されているFさんがお抹茶を点ててくれました。
ホッとするひとときです。
それから皆で簇から落ちてしまったお蚕さん拾い。
これは稲わらを編んで作った藁簇(わらまぶし)。
通称『病院』。
簇に入る前に繭を作り始めてしまったお蚕さんたちなどが入院?します。
明日6/5は『ぐんま200』の上簇です!
予定より早めになりました。
5/29、蚕絲館さんでは お蚕さん脱皮を経て5齢に入りました。
ダーーン。
ずいぶん大きくなりましたね。
お蚕さんの食べっぷりが良いようで、
受講されているYさんも蚕絲館に到着するとすぐに給桑。
お蚕さんに桑をくれる作業からです。
この時期になると、桑はもう枝ごとですね。
桑の与え方レクチャーです。
飼育台の中にどうやって桑を重ねてゆくのか、とか
どのタイミングでどのくらいの量を与えるのか、とか。
それにしても。。。
平石先生、よく逆さまから絵が描けるなあ、といつも感心します。
ツバメが何か言っています。
部屋の中では天蚕も順調に育っています。
昼ごはんの後、ミャンマーコーヒーを飲みながら、
養蚕の過程について画像付きでレクチャー。
貴重な写真がたくさん。
ちょっと写真を撮って帰ろうと思いながら、
お話が面白いので長居してしまう私。。。
ちょっとしたお話からいろんな資料が出てきます。
ちなみにこれは黄色い繭から採れる生糸。
精練すると下のような色になります。
淡ーく黄味がかったなんとも言えない色。
9月からの養蚕ワークショップでは黄色い繭を作る『ぐんま黄金』を育てる予定です。
また、レクチャーの中で出た質問から、奥州式の座繰り器が出動。
上州座繰り器が歯車で回るのに対し、これはベルトで小枠が回転します。
太い糸は引けませんが、ゆらぎのある糸が引けるそう。
下は動画です。
午後は桑畑へ。はじめは手間取っていた桑摘みも慣れてきました。
どんどん運ばれてゆく桑。
上の動画は蚕絲館さんから頂いた@ton-caraのお蚕さんですが、
モリモリ桑を食べる音が聞こえます。
5齢に入ったお蚕さん、どんどん食べてどんどん大きくなります。
本日の養蚕ワークショップは『簇(まぶし)』の組み立て!
ton-caraでも、蚕絲館さんに頂いたお蚕が『眠(みん)』に入っていました。
天を仰いだまま動きません。
配蚕から2回目の眠。
この後脱皮して、5齢になったら
ガンガン大きくなってモリモリ食べます。
蚕絲館さんでも、みんな『眠』。
石灰をかけられています。
消毒のためと、下の桑をしおらせて、
お蚕が新しい葉っぱに上がってくる
タイミングをそろえるためだそう。
石灰だらけになっても動じないお蚕さん。
菌やウイルスには弱いくせに、石灰はヘイちゃらのようです。
お蚕さんが眠っている間に、できることをする!
『簇(まぶし)』の組み立てです。
簇は、お蚕さんが繭を作るための部屋。
一頭一頭個室です。
上の一個一個がこのようにセッティングされ、
こうなりまーす。
回転簇(かいてんまぶし)。
お蚕の上に登る性質を利用し、
上の部屋がいっぱいになったら
くるんと回転するようになっています。
お昼です。
こまちは何が気になるんでしょう。
今日のton-caraランチはポークソテー。
がんもとタケノコの煮ものと、カブとキュウリのぬか漬け。
こまちはご飯に散らした鮭フレークが気になっていたみたい。
それでは、また次回!
いよいよ5齢でーす。
5/10にまいた和綿の種。5/18には一斉に芽が出ました。
草も出ていますねー。草取りしないといけません。
草、つよいです。こんなに出ています。
紫蘇がけっこう多いです。もったいないけど、右後方にこんもり茂る緑も紫蘇。
紫蘇の繁殖力はおそるべし。
と、いうわけで、紫蘇もぬいています。
飯塚先生(右)はいつもうれしそうです。
間引きも同時進行。
間引き、悩みどころです。
受講されているMさんは、間引いた芽を
手帳に挟んで持ち帰られるみたい。
近々、Mさんが持ってきてくれた炭を
畑にまいてみる予定です。
そして画面奥、こんもりと茂る紫蘇。
綿の芽に襲いかからんばかりの勢い。
紫蘇、おそるべし。
受講されているMさんが、古代米を米油でサクっとあげた
おかきを持ってきてくれました。
旧群馬町で雑穀を育てている『こまつ農縁』さん製でーす。
なぜか飯塚先生コマーシャル。
大きな栗の木の下でのお茶会。
外でのお茶は気持ちがいいです。
手織り おもとやさん(@teoriomotoya)がシェアした投稿 -
お昼は、ただいま蚕絲館さんにて真っ最中の
養蚕ワークショップ受講者みなさんと一緒。
いつもお昼の写真撮り忘れてしまうのですが、
これは蚕絲館の東先生が撮った写真を
飯塚先生がインスタグラムにアップしたもの。
共同作業でございます。
お昼時、蚕絲館さんがton-caraにお蚕100頭持ってきてくれました。
和綿の受講者さんも興味深そう。
飯塚先生も『虫ヤダ』と前に言っていましたが
実際に目の前にしたら手にのせて可愛がっていました。
写真でみたり想像するより、
結構かわいいんですよね。
午後は地道に糸紡ぎ。皆さん熱心なのでドンドン上達してゆきます。
ton-cara店主も見習おう~~。。。
作った糸は貯めて、織り機にかけます!
笑い声のたえない教室です。
次回の和綿教室は6/14(水)です!
お申込みは mail@ton-cara
TEL:027-368-2370
お申込みの方は、お名前・ご住所・連絡の取れるお電話番号を添えてご連絡くださいませ。
お待ちしておりまーす。
養蚕ワークショップ6日目!
初日は4束だった桑。
今日はお蚕さんに120kgくれてやります。
どんどん増えてゆきますね。
お蚕さん、着実に成長しています。
この白いのがお蚕さん。
ちなみにこれは6日前↑
それがいま(5/25)は、こう。
今日も桑こきと桑やり。
それから桑畑の草取りが大切で大変な作業なんですって。
桑をこくのは後の作業をしやすくするためだそう。
今の時点で枝ごとくれる農家さんも多いのですが、
途中で飼育台の掃除をするときに大量の枝があって大変なので、
その手間をへらすために今桑をこく!
のだそうです。
ちなみに今は120kgくれていますが、最終的には400kgを
採集して、くれること3日間!
日増しに労働量が増えてゆきます。
桑こき後の枝は、ton-caraでかまどの焚き付け用にもらいまーす。
お蚕さん、大きくなっていますよ!
ぐんま200。
小石丸。
お蚕さんの上から、ちょっとずつ桑が重なるように、
屋根をふくみたいな重ね方で、くれてゆきます。
わさっ、わさっ。
お蚕さん、もう新しい桑に上がってきている!
この作業が、グレードアップしながら
続いてゆきます!
5/21、養蚕ワークショップ、2日目。今日はお蚕さん寝ています。
『眠みん』と呼ばれる状態。
脱皮前の準備なんですって。
頭を持ち上げて、みな動きません。
お蚕さんの上に網を乗せ、その上から桑を与えると
お蚕さんは桑を求めて網の上に移動します。
そして網を持ち上げて、フンや昨日の餌の残り物と分離します。
お蚕さんの上から石灰を撒いてゆきます。
これはばい菌を防ぐためと、
お蚕さんが桑を食べるタイミングを揃える働きがあるそう。
かまってほしい こまち。
続く。
養蚕ワークショップ、3日目。
暑い!朝から暑いです。
蚕室は朝から30℃超えですって。
平石先生、養蚕道具を洗浄します。
お嬢さん育ちだからでしょうか、お蚕さんは菌に弱く、
清潔にしないといけません。
朝、納豆食べないで下さいと伝達があってびっくりしました。
養蚕道具はきれいにして、よく干します!
桑の枝の伸ばし方について、語ります。
どうして桑をこの高さにしておくのか〜、
桑の収量はこんな樹形だとどうなるか〜、
この樹形だと作業効率はどうだ〜、
いろいろな試行錯誤があるんですね。
それから蚕の飼い方と桑の種類の関係とか、
養蚕やりたい方は、とても興味ふかい内容ですよ!
さて、今日はお蚕さんお引越し。
『蚕箔』という写真の台から下の飼育台に移してやります。
広げてゆきまーす。
初日より大きくなったけど、
お蚕さんまだちっちゃいですね。
そして桑の作業。
重量を量ってみます。
レトロな量りです。
12kg。
『持ってみて』
はい。重いです。
そして今日も桑をこきます。
そして畑に桑を採りに。
畑までついてくる こまち。
しっかり締まって、ほどけやすい桑の縛り方。
悪戦苦闘。
『胸、肩、それから頭に載せて。。。』
さらっと言いますが、それ、大変です!
東先生、観光の人寄せでない
ガチ労働の大原女のようです。
頭上運搬は厳しいです〜。
肩に担いでゆきます。
がんばって〜。
重さのあまりでしょうか、トラックまで急ぎ足。
とっても暑い日でした。
桑についたクワゴ(蚕の仲間で野生のもの)が見守っていました。
彼の動きはスピーディでした。
5/20より、2017年春蚕・養蚕ワークショップはじまりました!
蚕絲館さんが丹精込めて育てた桑畑!緑がきれいです。
午前中は桑摘み。
養蚕は東先生とご夫婦で蚕絲館を営む、平石先生もレクチャーします。
まずは一束。しっかり締められ、すぐにほどける紐のかけ方を実践。
きっと最終日にはスイスイでしょう。
バチンバチンと剪定ばさみの音がひびきます。
枝が太く、苦戦します。
これも最終日頃にはスイスイでしょう。
どんどんできてゆく桑の束。
『桑摘み』という可愛らしい言葉で、
いいのでしょうか、この作業。。。
桑で人間が見えない。
『頭の上にのせると楽だよ』、と平石先生。
はじめての女子には厳しいデショウ。
これも終わり頃には、難なく頭上運搬をされているかもしれません。
本日分の桑がとれました!
運び込んだ桑の葉っぱをしごいてゆきます。
これから迎える小さなお蚕さんの為に桑を刻んでゆきます。
桑切の様子です。
レトロなマシンが素敵です。
そしてやってきました。安中市農協稚蚕飼育所。
3齢以前の小さなお蚕が育てられていた施設。
いまは稼働していませんが、ここで配蚕がおこなわれる、
という事でton-cara店主もヒョコヒョコついてきました。
チラッ。ぐんま200です。
特別に稚蚕飼育所の中も見せてくれました。
壁のむこうに、幼いお蚕を守るとてもクリーンな部屋があって
そこからお蚕はベルトコンベヤーで流れてき、ここで作業をしていたそうです。
お蚕さん、蚕絲館に到着!
蚕座に等分にむかえるため、手で分けてゆきます。
下にはこれまでお蚕のエサとなってきた
人工飼料とお蚕のフン。
蚕座に広げてゆきまーす。
網入れの作業。お蚕の上から網をかけます。
この上に桑をくれる事でお蚕が上ってきて、人工飼料から分離できます。
咲前神社の養蚕守護のお札が見守っています。
こまちは寝ています。
網の上から桑をやります。
もんじゃ焼きの土手を作る要領で。。。
眠いこまち。
こんな感じで桑をやります。
そうこうするうちに、稚蚕飼育所から『小石丸』が到着!
皇室で育てられている日本在来種のお蚕。
これはワークショップと別に
蚕絲館さんがご注文を受けて育てる分ですが、
同時に育てるので『ぐんま200』と見比べることができますよ!
『言われてみれば品があるわね!』と参加者の方。
言われてみれば、ぐんま200よりモジャモジャした動きがおとなしい気がします。
気が付くと、ぐんま200は人工飼料から
採れたての桑の葉へ移っています。
やっぱり新鮮な桑の方がおいしいかい?
桑を食む音がピチピチ聞こえます。
これより、6/12か13まで、養蚕作業!
このところ暑いから、参加者のみなさん気を付けて!
ton-caraではリポートと
ランチのサポートがんばりまーす。
草木屋・山崎先生の草木染め教室。
今日は盛りだくさんなのです。
最初はブナ染めの試験布と作品制作の予定でした。
ですが少し前に、思いついて引き染め↑をしてみよう、ということに。
栗の木が2本あるので、その木を利用して掛けて
刷毛を引き染めてゆくのです。
綿生地は発色しにくいため豆をミキサーにかけ、
呉汁(ごじる)を作って最初に布に引いておきます。
ブナのチップを煮出し
引き染めした布は、こんな色合い。
ブナ染めの他にも最近思いついてしまったことが。
『今の季節しかできない染め、スズメノエンドウやヨモギで緑染めをしてみよう!』
せっせとスズメノエンドウを採集。
気持ちがいいです。
これがスズメノエンドウ。
これはスギナ。
ヨモギも。
ソーダ灰を加え、アルカリで煮ることによってきれいな緑色が抽出されました。
これはヨモギ。
スズメノエンドウ。
ソーダ灰を加えたときはきれいな緑が出ましたが、
加えていない場合はあまり出ません。
染液にお酢を加え、中性に戻します。
手前がお酢を加えてPH調整したもの。
色がクリアです。
いつもは銅は使いませんが、今日の青草にはきれいな緑を出すため、銅で媒染です。
お昼は麹つけの豚焼きです。ウドと筍のお味噌汁とどうぞ。
ブナ染めも併行!上は鉄媒染、下はアルミ媒染。
ブナは量が多いと黄味が強く出るみたいです。
ホント盛りだくさん。
あっ!アイロンがない!
と思い出したのが、この家に備品であった古いアイロン。
炭を入れます。はい。コードレスです。
ブナ染めの試験布。
スギナとスズメノエンドウの試験布。
スズメノエンドウ、とってもきれいな緑です。
ブナで試験的に染めてみた、手紡ぎの和綿とわた。
かわいい色合いです。
このわたを紡ぐと、どんな風合いになるでしょう?
二日目は雨でしたが、ヨモギを摘む!
一日目の結果を踏まえて、染めたいものを染める!
今日は織りをされる方の糸染めが多かったです。
山崎先生、やはりラーメン屋さんのようです。
ソーダ灰を使わないスズメノエンドウ。
媒染はアルミ。
明るい黄色です
ソーダ灰を使ったヨモギ。媒染は銅。
かわいい緑です。
襦袢を染めて裂織りに使われる、という方も。
たくさん、染まりました!
左からブナ(アルミ)スズメノエンドウ(アルミ鉄)
スズメノエンドウ(アルミ)ヨモギ(銅)ブナ(鉄)
スギナ(銅)ヨモギ(鉄)
草を摘んで染めるのはとても楽しく、皆さん何度も摘んで染められてました。
和気藹々とお話も弾んで、とても楽しい教室でした!
来月の草木染め教室は6/21(水)6/22(木)。
染料は五倍子(ごばいし)。
ヌルデの木につくヌルデノミミフシが作る虫こぶで
お歯黒の染料としても使われていた染料。
この染料の面白いところは濃く煮出すと染まらないところと
無色透明な液から鉄媒染液を通しすことで一気に色が黒く変わるところにあります。
水の割合によって赤みや青み、色の表れ方も違うそう。
ぜひぜひお出かけください。
そして思いついちゃったシリーズ第2弾!
来月は五倍子の他、ton-caraの栗の木から
染料を採集して染めてみます。
予定の染料の他に、
『あれがしてみたい』『これで染めてみたい』と
いうのがあったら、おっしゃってください。
みんなで草木の色を楽しみましょう!
文字も残らない古い時代から、江戸時代に綿が普及するまで、
日本の長い歴史の中、圧倒的大多数の人々の身を包んできたのは、麻ー『大麻』でした。
千葉県君津市で染織伝承館『布衣風衣』を営む渡辺ご夫妻は、
失われてゆく日本の手仕事を何とか次世代に託したいという思いから
長年にわたり各地の日本の染織を取材し記録に取り、伝承活動をされています。
会津以北は、綿を育てるのが難しかったため、
東北地方では、自家用に麻を栽培し、糸を作り、織る村が
数十年前までありました。
越後上布などの材料になる『苧麻』は、換金作物として
諸藩は奨励したようです。
今、『麻』と言えば『苧麻』と『亜麻』を指します。
でも、土地の人たちが『麻』と呼んでいたのは、大麻でした。
これは、藩に納めるためではなく、
自分や家族の身を包む、日々の着衣として作っていました。
渡辺ご夫妻は、おそらくその最後の時代のおばあさんにお願いし、
麻の種まきから織るまでを映像に収めました。
今はもう、どこにもない風景です。
その記録とともにお話頂きました。
麻の苧は、金色です。
この繊維をひたすら割き、ひたすら績(う)み、
糸にします。
何千メートルも、何万メートルも。
ひたすら手で、糸をつなげて行きます。
麻の糸を割いてつなげる作業を『績む』と言います。
『績む』作業と『紡ぐ』作業、ふたつあわせて
『紡績』です。
麻の糸。写真は布衣風衣にて撮影したものです。
麻の布の他に、いろんな古布を持ってきてくださいました。
上ふたつは大麻、
下の縞は芭蕉布。
これは『しな布』の米袋。しなの木の繊維で織られています。
強度を持たせるため、バイヤスに縫われています。
古い生活道具としての布は、バイヤス縫いになっているものがよくあるそうです。
そういえば、手ぬぐいを利用した『あずま袋』もそうですね。
上から、しなの米袋、祭礼に使われた馬の腹がけ、布団側生地。
対馬で出たという麻(大麻)の筒そで。
場所柄でしょうか、朝鮮半島の上衣に似ています。
麻を作るおばあさんの記録映像。
みなさん、一言も発せず、食い入るように見ています。
その村に数十年前まで麻で着物を作る人がいたのは、
趣味であるとか、信念であるとか、そういう事からではなく、
そうせざるをえない環境だったからです。
水を汲むにも、畑をするにも、煮炊きや洗濯にも、スイッチやエンジンで行うのではなかった時代に、
生業と家事労働をこなし、家族のために糸を作り、織ることが、
どんなに手間がかかり、大変であったことか、
私には実感さえできません。
貧しい農村では、『間引き』が行なわれました。
家族が生き抜くために、親が幼い子供を殺すのです。
それは、食べるものがないからだと思っていました。
でも、食べるものは、結構なんとかなるのだそうです。
着せてやれるものが用意できないから、殺さざるをえないというのです。
そんな時代がありました。
私たちは、お金で時間を買いました。
それで、いろいろなものを得ました。
暮らしぶりは、豊かになりました。
同時に、多くのものを手放してしまったかもしれません。
まだ霜も降りる、冷たい畑に立ち、おばあさんは、はだしの足で土をおこします。
長靴を履くと土が固くなってしまうから。
おばあさんがはだしで起こした畑から、
麻はすくすくと伸び、
さやさや揺れる、麻畑の中でニコニコ笑う、
おばあさんの顔はとても美しく、ピカピカと輝いて見えます。
おばあさんが、最後に織った麻の反物は、
おばあさんのお葬式に、息子さんが着るための、裃でした。
お母さんが、当たり前に、ご飯を作るように、家族のために作った、
それがこの国の、最後の布だったのかもしれません。
今、麻は栽培が禁じられています。
なぜ禁じられたのか、いろいろな事情があると思います。
でも忘れ去り、消し去ったのは、私たちの選択であることに、
他ならないと、思うのです。
お茶会に参加されたton-cara講師の東さんと飯塚さんもwebにアップされています。
やっぱり視点や写真が素晴らしいなあ、と思いますので、こちらも御覧ください。
4回目を迎えた和綿教室。
今まで畑の準備でしたが、今日はついに種を蒔きます!
写真は藁灰にまぶした伯州綿の種。
灰にまぶすのは殺菌作用と栄養、繊維でからむ種がぱらぱらほぐれる、
それからここに種を蒔いたよー、という目印になる、ということです。
飯塚先生談。
昔はし尿と合わせたそうですが、それはさすがにしていません。。。
種まきの方法は色々あるようですが、飯塚教室では30cm感覚で6粒ずつ蒔いてゆきます。
6粒で発芽させ、大きくなったら元気なのを2本残して間引きます。
これは飯塚先生が試行錯誤しながら編み出した方法だそうです。
土が乾いていると種も見えやすいですが、今日はお湿り。
種にとってはいいみたい。
飯塚先生はいつも楽しそうです。
傍らで一足先に成長した亜麻が見守っています。
今日は雨なので花も遠慮がち。
土をかぶせたら、手で圧をかけます。
これをすると全然違うそう。
畝に延々とつづく、手形の刻印。
最後に水やり。
『朝と夕方、たっぷり水をあげてください』
それはもれなく店主フセの仕事となりました。。。
飯塚先生がインスタにアップしてくれたton-caraのお昼ご飯。
飯塚先生は写真も上手です。
午後は糸紡ぎ。
ブーンブーンという糸車の音が聞こえます。
みなさんとても熱心なので、上達が早いです。
昨日は蚕絲館の東先生による座繰りワークショップでした。
座繰りとは、繭をお湯で煮て上州座繰り器にかけ、生糸をとる昔ながらの方法です。
東先生が丹精込めて育てた繭。
20代の頃、座繰りをするために群馬に来たけれど、養蚕農家さんがどんどんいなくなり、
繭も手に入らなくなる、という現状があって、たった一人で養蚕から始められたそう。
すごい人だ。。。
お湯の温度も大切。
今回は50粒の繭で煮ます。
一粒一粒の繭から細い繊維が出て、『弓』の部分で一つになり
鼓のような形の『鼓車(こしゃ)』で撚りがかかって枠に巻き取られてゆきます。
カラカラカラカラ。。。(👈枠が回転する音)
小枠に巻きとった生糸は大枠に巻き取り直し、『かせ』の状態にします。
かせになった糸がぐちゃぐちゃにならないように『アミソ糸』をかけて。。。
さばいて干しておきます!
思えば、今の生活で絹を身につける機会はとても少なくなっています。
本当に素晴らしい機能を備えた繊維なのに。
ましてや機械製糸でない手作りの糸なんて、目にすることはありません。
軽くて、しなやかで、座繰りの生糸のかせは、
銀色の滝のようにきれいです。
ぜひとも、この美しさを見ていただきたいです。。。
東先生のワークショップは、この生糸を織れるようにする
撚糸・精練まで行います。
繭は、5/20から始まる養蚕ワークショップで
ご自分の繭を手に入れることもできます。
ご参加された方の中には、養蚕ワークショップから始めて繭を収穫し、
座繰りで糸にし染めて一反織るところまで!とおっしゃる方も。
すごい!
織物をされる方、ものつくりが好きな方、自給自足を目指す方、
天然素材に興味がある方、オススメです。
衣食住の『衣』の、いちばん始めの部分から体験できますよー!
第二・第四水曜日は土からはじまる和綿の教室。
今回は、前回で耕した畑に畝を作ります!
鍬を持った畑仕事は初めて、とおっしゃりながら、
みなさんヤル気だからでしょうか、きれいな畝がたてられてゆきます。
ちなみに、飯塚先生の手前に横たわっている竹は『ばか棒』というそうです。
この間隔で畝をたてる目印に。
この棒があればバカでも間隔がわかるから『ばか棒』というそうで。。。
口の悪い群馬の方言かと思ったら、立派な建築用語のようです。
びっくり。
畝ができましたー。
風で共倒れにならないように、管理や収穫作業がしやすいように
広めにとっています。
ひと仕事終えたらお昼の時間です。
今日はコナリエさんの生パスタ。
太めのもっちりしたパスタに、
トンカラ母がコトコト煮込んだトマトソースをからめました。
おいしいですよ!
午後になりました。
綿繰りです。
綿の実をかませてハンドルをまわすと、種とわたが分離します。
ハンドカーダーで繊維の方向を整えて
長細い『しの』をつくり・・・
糸を指で引き出して・・・
糸車にかけます!
ブーンブーンと部屋中に鳴り響きます。
このように小さいコマをまわすスピンドルでも糸は紡げます。
受講されているKさんが、ご自宅でスピンドルで紡いで来られた糸。
とてもしっかりした、きれいな糸!
一度受講しただけなのに、すごい!
綿繰りして、カーディングする作業は結構たいへん。
これは飯塚先生が育てた綿を製綿したものです。こちらもお求め頂き紡ぐことができます。
帯に書かれた、和綿の歴史ダイジェストは、胸をうちます。。。
お疲れ様でした!
おやつはトンカラ自家製草もちです。
トンカラ母があんこをコトコト煮、
野原で摘んできたよもぎは、もち米と一緒につき、
かまどの燠でこんがり焼きました。
和綿の教室、5月は5/10(水)、5/24(水)です。
次回は、いよいよ種まき!
『灰まぶし』という昔ながらの方法です。
お申込みは
TEL:027-368-2370
担当:ふせ
お待ちしてまーす。
今日は機織り教室。裂き織りでバッグ用の生地をつくります。
ボックスに詰められた裂き織り用の糸玉、かわいらしいです。
前回はコースターでしたが、今回は幅が広くなりました。
卓上機だからでしょうか、今回も笑いが絶えない教室です。
でもおしゃべりしてると、時に間違えたり。。。
坂田先生はおしゃべりしてても、自分の作業をしていても、見逃しません。
元に戻る方法をやさしく指導。
これだけ一日で織るのは、大変だったと思います。
色の組合せも素敵です。
ふたつに折ってバッグにすると、こんな感じかな。
裂き織りは丈夫だから、長く使えますね!
卓上機で織りの仕組みを学んでゆく過程では、こんなノッティング制作も。
ステップアップをしてゆく過程でいろんな織りが体験できます。
手が慣れて、織りの仕組みを一通り学んだら、高機へ。
毎日の暮らしの中で、自分や家族が使うものを一から作れたら素敵ですね。
来月の機織り教室は、5/1(月)、5/21(日)です!
お申込みは、mail@ton-cara、
TEL:027-368-2370 担当ふせまで
今日は風土に根ざした草木染め。
春採りのヤシャブシを使って染めます。
そして染色専門店さんで購入したヤシャブシと合わせて比べてみましょう。
ヤシャブシはハンノキの仲間です。
右が買ったヤシャブシ。左が東吾妻で採集したヒメヤシャブシ。
奥が種類が特定できないハンノキの実。
ヒメヤシャブシと買ったヤシャブシと、それぞれ5g、20g、50gと量り、煮出します。
煮ています。
鉄で媒染します。
春採りのヤシャブシは黄味が強いみたい。
だんだんと黒味を帯びてきました。
乾くとこんな感じ。
買ってきたヤシャブシの、グラム数が一番少ない5gバージョンは真っ黒。
ヤシャブシは、量が多いほど染まりにくくなる性質を持っているそうです。
今日は糸染めもお願いしてみました。
糸さばきの実演。
巧みに糸をさばく山崎先生は、まるでラーメン職人のようです。
その間に2番煎じのヤシャブシも、どんな色が出るか試験してみました。
春採りのヤシャブシの黄味もやや収まり、素敵な銀鼠色に。
染められた糸と布。
右側は葛の糸。2番液で染めてあります。
その左は麻の糸。これは1番液、春採りヤシャブシ50g/2ℓ。
どちらも手で績んで糸車でよりをかけてあります。
その左は手紡ぎの綿。葛と同じ液ですが、色の出方が随分異なります。
その左の布は機械紡績の麻。
これは3番液。
いい色です。
色素の量が多いほど染まりにくくなるそうで、
ヤシャブシは染めの作業をする前に煮こぼす人もいるそう。
染料店で購入したものは、作業がしやすいようにあらかじめ下処理を施されている場合があるかもしれません。
ですから、買ったヤシャブシに慣れていて、採集したヤシャブシで染めた場合、
『なんでこの色に〜??』となることもあるかも。
性質を知っていたら、目指す色にたどり着く方法が自分でわかるはず。
と、いう方法を山崎教室では教えてくれます。
ついでに、ちょっとやってみたかったのが上。
右が手紡ぎの綿、左が機械紡績の綿。一般的な縫い糸です。
色の入り具合が全然違います。
綿は草木染めでは染まりにくいと言いますが、
手紡ぎのものは割とよく染まるんですね。
ただ、手紡ぎの糸や、よりがあまい糸は、扱いが大変です。
ですから大量生産する場合は、いろんな薬剤を使い、扱いが楽なように加工します。
縫い糸は引っかかりにくく切れにくいような工夫がされていると思います。
色の入り方の違いは、
製糸の作りやよりの強さによるものか、
機械紡績にかける上での薬剤加工によるものかは、わかりません。
ただ、同じ『綿』と言っても、こんなに違うんだなあと思いました。
今日は和綿の種をまく畑の準備です。
苦土石灰をまいて。。。
混ぜ込んでフカフカにしました。
午前中は畑だったので、お茶を飲んでひと息。
前回参加してくれたWさんが、ご自分で作ったものを見せてくれました。
自作の手芸グッズ入れ。素敵です。
しかも前回習っただけなのに、スピンドルに紡がれた糸がこんなに!
紡ぎ損じた綿は、これも自作の腰あてベルトの中綿に!
刺し子もかわいい。
このベルトは原始機やカード織りの時に使うそう。
暮らしの中の道具を手作りする、
そんな日々はton-caraも目指したいところです。
なんて盛り上がっていたら、お昼の時間。
今日のご飯は、コロッケと豆ご飯、里芋のお味噌汁です。
午後は糸車の練習!
綿をシート状にして
しのを作り。。。
糸車に。
ブーンブーンと鳴り響きます。
紡ぎ損じは、また何かの中綿に。
綿を全て活かしきる、素晴らしいです。
今回は飯塚先生が育てた綿を製綿したものを使っています。
これ一つで600円。
糸紡ぎしたい方、はんてんなど作りたい方、ton-caraで販売してますよー。
やっぱり何度もなんども繰り返すことで体が覚えますね。
しかも今回は、手織り おもとや新聞が配布されました!
『わたのぬいしろ』。
和綿教室に参加してくれた生徒さん限定です!
月一回の発行予定(たぶん)。
飯塚先生の綿や衣に対しての思いや考え・姿勢は、聞いていて、とても勉強になるし面白いのです。
それが文章で読めるなんて。
これがどんどん貯まっていったら、とても大きな財産になりますね。
今から楽しみです。
次回講習は4月26日(水)
畑での作業は畝つくりになります。
それから糸紡ぎの実習!
ぜひご参加下さい。
申し込み・お問い合わせは
tel.027-368−2370
ton-cara ふせまで
今日は裂き織りと紬糸作りの教室です。
暖かな日和でよかった。
白もくれんもすっかり開きました。
講師の坂田先生です。よろしくお願いしまーす!
布を細く裂いて作られた糸玉。
これだけでもかわいい。
どんな風に織り上げられるんでしょう。
みなさん、どれにしよー、とおっしゃいながら、
それぞれ好きな糸玉を手に取り、横糸にして打ち込んでゆきます。
『楽しー!』。
そう言ってくれるのがとてもうれしいです。
同じ手仕事をしながらだからでしょうか。
はじめて会った方同士なのにお話もはずんで、何度笑った事でしょう。
さて、お昼です。今日のton-cara定食。
豆ごはんと 梅風味のさばの味噌煮、しいたけの煮ものと菜花のごまあえ、
さといもとかぼちゃ・葉玉ねぎのお味噌汁。若いメロンの漬物、蕗みそ。
取材に来ていた上毛新聞の方が、生徒さんのスマホで撮ってくれました。
写真部に所属していたとおっしゃるだけあって、湯気までおいしそうに写っています。
『おれ何しにきたんだろー?』と笑いながら
上毛新聞の方も一緒にご飯を食べてゆかれました。
みんなで食べるご飯はおいしいです。
講師の坂田先生は紬の修行をされていますので、
せっかくですから紬糸つくりも体験させてもらいました。
真綿(絹のわた)を手で引っ張りながら、糸をつくります。
難しいーー!
おしゃべりしながらも、ちゃくちゃくと作業は進みます!
じゃーーん!
ばーーーん!
できましたーー!
すごい、あんなにおしゃべりしながら、こんなにできている!
とても和気あいあいとした雰囲気の中で、
わたしもとても楽しかったです。
坂田先生の教室では裂き織りからはじまり、
少しずつステップアップしながら
織りを楽しむことができます。
次回の教室は4/16(日)です。
お申込みはmail@ton-cara
TEL.027-368-2370
担当ふせまで。お待ちしてまーす!
今日は座繰り製糸のワークショップ!
座繰りは、繭をお湯で煮て、木製の座繰り器で生糸を巻き取ってゆく製糸方法。
機械製糸にくらべ、ふんわりとした質感があり、
布になった時、独特の空気層が生まれます。
講師は、蚕絲館を主宰する東先生。
東先生は、京都で座繰り製糸によって作られた布を見、
その糸を求めて、ひとり群馬にやってきて、
座繰りや蚕糸技術・文化・歴史を丹念に取材し、
桑畑からはじめ養蚕・座繰り製糸に日々向き合ってらっしゃいます。
最初に東先生による説明。
では、やってみましょう!
煮えて、ちょうどよくなった状態の
繭を専用の箒でなで。。。
お蚕さんが吐き始めた部分の『きびそ』とよばれる糸をズルズルと引き出します。
ズルズルー。
ふしのないスルスルした糸が出てきたら、
座繰り器の把手をまわし、小枠に巻き取ってゆきます。
生糸が巻かれ、だんだんと小枠も重くなってきました。
小枠に巻き取られた糸は、かせにするために大枠に巻いてゆきます。
今日は東さんの取材でテレビ東京の方がいらっしゃっていました。
道具も全部洗って、
かせにした糸がぐちゃぐちゃにならないよう、『アミソ』をかけます。
テレビ東京の方にインタビューを受ける生徒さん。
できましたー。
お疲れ様でしたー。
お疲れ様ですー。
生徒さんがインタビューに答えてらっしゃるのをちらりとお聞きしました。
『聞くのとやってみるのと、やっぱり違いますね。こんなに光沢のある美しいものだとは思いませんでした。命を頂いているんだという事が実感できます。これからは布に対する見方が変わると思います。もっと大切にしようと思いました』
ふせは、、、とってもうれしかったです。
次回の座繰り製糸のワークショップは、4/8(土)9(日)、20(木)、21(金)です。
5月からは養蚕ワークショップもはじまります!桑畑からはじまり、養蚕して収穫した繭を座繰りワークショップで糸にし、織ることもできます。ぜひぜひご参加ください!
お申込みは、mail@ton-cara.com
TEL.027-368-2370 携帯090-2544-9959(ふせ)まで
今日は和綿の糸作り教室でした!
最初に講師の飯塚先生より、綿と『和綿』というものについてレクチャーがありました。
奈良時代に渡来しながらも日本で中々根付かなかった綿でしたが、
江戸時代の頃からようやっと栽培が普及し
庶民の衣服として人口を支えたものの、明治以降には輸入の洋綿におされてしまい、
今は繊維として流通することはありません。
その日本の綿を洋綿に対して和綿とよびます。
飯塚先生のお話は、日本人が綿とどうかかわってきたかだけでなく、
綿の歴史と世界経済の流れ、奴隷貿易、産業革命、遺伝子組み換え作物にまで及び、
これまで人間が歩んできた歴史、
またこれから歩んでゆく未来を考えさせられました。
さて、糸づくりの実践です!
実繰り機で種を取り除きます。
実繰り機はこのような木製の機械。
ハンドルを回すとローラーがかみ合って種を取り除いてくれます。
飯塚先生が修行した山陰地方の伯州綿。
種が取り除けました。
弓で打って繊維をほぐします。
ハンドカーダーを使う方法もあります。
このように丸めてゆきます。
これは『じんぎ』『しの』『よりこ』『さね』など、呼び方もさまざま。
日本の地方地方で作られたからでしょうか。
糸車で糸に紡いでゆきます。
はじめは中々つながりません。。。
がんばってーー。
自宅でもできるように、スピンドルを使ったレクチャーも。
スピンドルはコマに棒がついたもので、いつでもどこでも持ち運べます。
糸車はちょっと覚悟決めないと入手できないかもしれませんが、
スピンドルなら手軽に練習できます。
そして今日の教室は終了!
みなさまありがとうございました。
4月からは和棉畑での実習も始まります。
さらには自分で作った糸を使い、織るところまで!
教室は第2・第4水曜日です。
どうぞお出かけください。
お問い合わせはmai-@ton-cara.com
TEL.027-368-2370
担当:ふせ
桜染め教室、今日は後編です!
はじまりー。
昨日制作した、桜の分量・色を定着させる媒染・酸化の有無の違いによる色見本表。
これを基に、今日は自分の染めたい色を目指し、まずは分量をはかります。
計れましたー。
写真もぶれましたー。ごめんなさい。
桜を煮だしています。
こしきでこして・・・
きれいな桜色です。
桜の分量が少ない方が赤みが強く出ます。
ただ、今回の桜は色素量が多いとのことで、
すると黄味が強く出やすい傾向にあるとのことです。
自然界のものだから、いつでも同じというわけではありません。
媒染に鉄やアルミを使い、浸し染めをしてゆきます。
鉄は硫酸鉄、アルミはみょうばんを使いました。
重金属を用いると色が定着しやすいという認識は、
人間が有史以前より『ここの水で洗うと色が落ちにくい』とか
『土に埋めておくと色が落ちにくい』とか、地中や水中、自然界の鉱物の利用を、
経験から学んで蓄積していったのではないか?と、
講師の山崎先生はおっしゃっていました。
丘の上のton-caraは、いつでも乾いた風が吹きつけるので、
あっという間に乾いてゆきます。
手前がシルクの鉄媒染、その横は綿のアルミ媒染、
それからシルクのアルミ媒染。
シルクに比べ綿の方が色素を取り込みにくいので、
結果、黄味があまり出ず、淡い桜色に染まりました。
『ポーズをとってください』といったらポーズをとってくれた
やさしい山崎先生と、M島さん。
同じ桜の染料で、左がシルクのアルミ媒染、右が鉄媒染。
一回の受講で諸条件による色の出方の違いを理屈から学べ、実践できます。
受講されていたみなさん、草木染していても、『あれー?』と
思う色になることがあったそうで、今回いろいろ勉強できて
よかったとおっしゃってくれました。
ありがとうございました!
次回の草木染は春夜叉、
(↑春のやしゃぶしをそう呼んでいるそうです。写真はウィキペディアより)で染めます。
現在、山崎先生が頑張って採集中で、材料が集まらなかったら、、、
栗で染めます。
自然物なので、いつでも採れるとは限らないという。。。
採集生活なんですね。
『風土に根ざした草木染』、初回講習はこれにて!
次回の講習は4/13(木)、14(金)です。
ぜひぜひお出かけくださいませ。
お申込みはmail@ton-cara.comまで
本日は草木屋さんの草木染め教室。
講師の山崎杜人さんです。
3月上旬に沼田でとれた桜です。
場所や条件にもよって色の出方が違うのだそう。
自然のものは、おなじ材料だからと言っていつも同じになるとは限りません。
桜は、染料の量によって、色の現れ方が異なります。
左側の方が分量がすくなく、右に行くにつれ多くなります。
分量が少ない方が、赤味が強いのが不思議。
さらに、繊維に色を定着させる『媒染』にもよって、大きく変わります。
今回はアルミと鉄。
草木屋さんでは、山野に負担をかける銅は使いません。
どうやって、人類は媒染という方法を見出したのか?
など面白いお話を聞かせて頂きました。
それからそれから、染めだした染液の酸化度合いにもよって色味が異なります。
酸化というと、化学っぽいですね。
化学が苦手だった私は身構えてしまいましたが、
染液をバケツとタライを何度もジャバジャバ往復させ、
酸素に触れさせて放置しておくという、とてもアナログな人力作業です。
同じ桜の染料なのに、こんなに違う!
じゃーん。
表ができました。
染料の分量、媒染がアルミか鉄か、染液が酸化したかどうかで、こんなに多様な色が生まれます。
質量の重い金属を使った方が、暗めの色に仕上がるのだそうです。
草木染をされる方で、想像していた色が出ないことは、しばしばあると思います。
こういう表や、知識があったら、『なんでー?』という事が起こりにくいはず。
そんな方におすすめの講習です。
自分のサンプル帖が作りたくても、ひとりでは中々難しいですが、
教室で力を合わせれば、こんな風に作ることができます。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
明日はこれをもとに作品制作をします。