座繰りした生糸に『ヨリ』をかける『撚糸』。
繭から糸を引く座繰りの糸作りから、ちょっと踏み込んだ内容になりますが、布作りを一からしたい方には、オススメです。
左から、引いたままの生糸、撚糸した生糸、それを精練した絹糸。
引いたままの生糸は麻のような触感でバラけやすく扱いにくいのですが、撚糸と精練を経ると扱いやすく柔らかな絹糸に変貌します。
生糸を何本合わせ、どれくらいのヨリをかけて柔らかくするかによって、出来上がる布がまるで異なってきます。
撚糸ワークショップでは、撚糸の仕組みの説明と、糸を合わせて目的の太さにする『合糸』と、糸車を使った撚糸、ヨリ止めの方法をレクチャーします。
このワークショップは定員も少なく不定期開催なので、気になっている方がいましたら、思い切ってお申込ください!
お蚕さんが繭を作る部屋『蔟(まぶし)』は現在は多くは作業効率の良い『回転蔟』が使われていますが、それ以前は藁などが使われていました。
以前より藁まぶし作りのWS開催のご要望をしばしば頂いておりましたが、このまぶしを作る道具は現在作られておらず、蚕絲館さんによって道具の復元から始まり、先日開催することができました。
まぶしについては蚕絲館さんブログに詳細にアップされておりますので、こちらをご覧ください。
藁まぶし作りワークショップのご報告|蚕糸日記|上州安中座繰製作所・蚕絲館ブログ
養蚕や蚕具の研究や調査もされている蚕絲館さんによって、藁まぶしの歴史や上蔟の方法についてもレクチャーがありました。
写真は、今回のワークショップで編んで作る『改良藁まぶし』よりも簡易的なまぶしつくりを体験しているところです。
コロナウイルス感染拡大にともない、蚕絲館さんの撚糸精練WSは延期致します。
平穏な日々が戻りましたら、改めて告知をする予定です。
どうぞ、よろしくお願い致します。
布をつくる時に、『どんな風合いの織物を、そして、どんな機能をもった布をつくるか?』を
考える時に、大切なのが糸のつくりです。
今回は、その秘密のキモが知りたいという方のためのワークショップのお知らせ。
座繰りで繭から引いた生糸は、繊維がほぼまっすぐで、
このままだと扱いが大変だったりします。
そこで、目的にあわせた糸を設計してつくってゆきます。
『どんな細さの糸を、どれくらいあわせて、どんな風にヨリをかけて、どんな風にやわらかくするか?』
その仕組みについて解説と実習します。
長野県岡谷市にある岡谷蚕糸博物館。
糸都・岡谷の製糸技術の変遷や、実際に稼働している製糸工場の操糸の様子がつぶさに見られ、
学ぶことのできる貴重な場所です。
さる10月、こちらで見学会ツアーを開催しました。
館内に入ってすぐの所に展示してある、フランス式操糸器。
明治の頃、富岡製糸場で使われていたものです。
撚糸と精練。
製糸は、繭から糸を引いたら終わりではありません。
その後、目的に応じた糸を作ってゆくための工程があります。
生糸を合わせて目的の太さにしてゆく合糸、
そして生糸に撚りをかける撚糸、さらに固い生糸を柔らかくする撚糸。
蚕絲館さんのワークショップでは、いつもは撚糸は糸車を用いて行っていますので、撚糸だけで1日がかりです(それでも座繰り一回分のカセには程遠いくらい進まない!)が、今回撚糸と精練を1日に凝縮してレクチャーするワークショップが開催されました。
このワークショップでは、糸車ではなく、午前中に機械を用いた撚糸の説明と、午後に精練の実習を行います。
撚糸は、糸車でもとっても時間がかかりますが、機械を用いてもやはり時間がかかります。
そのため、このワークショップでは手持ちの座繰り糸を撚糸はできません(蚕絲館さんで別途撚糸を依頼することはできます)。
まず、製糸の概要について説明した後、『検撚器』を使い、実際の糸(ここではわかりやすいようにタコ糸)の構造を見てゆきます。
タコ糸の構造・・・て、考えたことありますか?
ものが作られるには、いろんな人のいろんな知恵がより合わせられているんだなあ、とワクワクしました。
先日行われた蚕絲館さんのワークショップは、ちょっと特別篇。
結城紬の織り子を経て織物作家さんとなり地機の教室をされている方と、その生徒さんたち、3名様を迎えて
座繰り製糸から撚糸、精練についてのレクチャーを行いました。
1日目は繭をにて 糸をとる座繰りです。
二日目、とった糸を柔らかくする『精練』の作業です。
今月11日に蚕絲館さんで収穫を迎えた新小石丸の繭。
まだお蚕さんは、中でまだ生きています。生きたままで繭を引く『生繰り』のワークショップを14から16日で開催しました。
『生繰り』は、収穫直後の今しかできません。
養蚕直後の座繰りワークショップ三日間、東先生お疲れの所ありがとうございました!
お腹がちょっとシェイプしている新小石丸。
日本の在来種小石丸を元に扱いやすく糸量も多いように品種改良をした品種です。
小石丸の特徴的なお腹のシェイプが受け継がれています。
今回は、初めて参加される方、
養蚕ワークショップに参加されてご自分の収穫分を生で引かれる方、
昨年の養蚕ワークショップで収穫した分を引かれる方、と様々でした。
蚕絲館さんの座繰りワークショップ。
この日は、東京と市内から初参加の方、
それから去年の養蚕ワークショップに出られて、ご自分の収穫した繭を座繰りするために、
わざわざ愛媛から参加してくださった方でした。
繭を煮ると、細かい泡がたってきます。
東京の方は、ご自分も染織家で、とても細い絹糸で薄絹の素敵な布を織られます。
ですから、今回の座繰りでも細い糸を引かれる予定。
この日は蚕絲館さんにより『撚糸』のワークショップが行われました。
座繰りで引いた生糸は、そのままだと糸がバラけやすく、扱いが大変なため、
糸に『撚り』をかける『撚糸』を行います。
糸に『撚り』を加えることで、繊維がまとまり、強くなって扱いもしやすくなります。
ワークショップでは、糸車を使って行います。
上と下の写真は『かせ』を枠に巻き直しているところ。
巻き取り中。。。
これは座繰りで引いたぐんま黄金の生糸。
このままだと麻のように固い質感なのですが、幾つかの工程を経て扱いやすく、やわらかい絹糸になります。
今回は、蚕絲館さんによるレクチャーで、生糸を柔らかくする、『精練』を体験します。
生糸を固くしているのは、ニカワ質のセリシンという物質。
セリシンを取り除く方法は、幾つかありますが、今回は台所でもできるように酵素を使った方法で行います。
蚕絲館さんでは、さまざまな品種のお蚕さんを育て、座繰り糸を生産しています。
いつもは座繰りのワークショップでは『ぐんま200』などの繭から生糸を引くレクチャーを行っていますが、今回、機織りのプロの方から『小石丸』で座繰りがしてみたいという、たっての依頼があり、
番外編の特別レクチャーが行われました。
『小石丸』は、日本在来の品種です。
小さくピーナツ型のかわいらしい繭をつくります。
糸量が少ないために、品種改良のすすめられた大きくて糸量の多い繭が生産されるようになり、現在は希少になっています。
美智子皇后さまが皇室で育てられ、正倉院御物の復元にも用いられているのが『小石丸』です。
写真は、上から時計回りに新小石丸、小石丸、ぐんま200。
新小石丸は、小石丸の特徴を受け継ぎながら中国の品種とかけあわせ、もう少し大きく糸量も多いそうです。
ぐんま200、小石丸とくらべると、でかい!
いつものレクチャーでは、鍋に50粒の繭がある状態にして糸を引きますが、
今回の小石丸では、10粒!
極細です!!
繭の煮方、取り扱い、引き方、通常品種とは大きく異なります。
蚕絲館さんの座繰りワークショップでは、繭を煮て生糸を引きますが、
引いた生糸は、そのままで終わりではなく、次の工程が待っています。
座繰りで引いた生糸は、糸に『撚り(より)』をかけて、そのあと生糸を柔らかくする『精練』の加工をします。
19日に、座繰りで糸を引いた方を対象に、糸車を使っての撚糸(ねんし)ワークショップが開催されました。
今回の撚糸では、引いた生糸を二本どりにして一つの小枠に巻き取り直し、糸車にかけます。
これは『検撚機』といって、糸にどれくらいの撚りがかかっているか、調べる機械だそう。
11/17は蚕絲館さんの座繰りワークショップでした。
養蚕ワークショップに参加された方が
ご自分で収穫した分の『ぐんま黄金』で糸を引かれるという事で
ほかの参加者の方もぐんま黄金で糸を引いてみることになりました。
ぐんま黄金は鮮やかな黄色が特徴です。
精練すると、淡い鳥の子色になります。
これ以前にも座繰りワークショップに参加されているO様は、
今回節糸作りに挑戦。
節糸は、鍋にかける弓や箒などの使う道具も異なります。
ご自分で買われた座繰り器で引いてみられました。
こちらは、蚕絲館さんの養蚕ワークショップで10/4に繭かきをした、『ぐんま黄金』の繭。
あざやかな黄色が特徴です。
今回、養蚕ワークショップに4日以上参加された方は、2.4kgのぐんま黄金の繭がプレゼントされます。量としてはこんな感じです。
蚕絲館の東先生のレクチャーで、この日は真綿作りのワークショップを開催しました。
『真綿』は、繭からつくったわたの事です。
むかしは『わた』といえば、
繭から作ったものが当たり前でしたが
江戸時代以降、木綿わたが普及し、
それを『わた』と呼ぶようになったので
絹のわたは、『ほんとうのわた』という事で
『真綿』と呼んで区別するようになったそうです。
繭は、重曹をくわえ、鍋で煮ておき、やわらかくします。
座繰り器で引いた生糸。
とても美しいですが、布になるためには、この先いくつもの工程があります。
今回は、生糸にヨリをかける『撚糸(ねんし)』。
このワークショップでは、糸車を使って撚糸を体験してみます。
蚕絲館の東先生による渾身のテキスト。
まず、『撚糸』について、
座学による講習です。
碓氷製糸さんは、国内最大の生糸の製糸工場。
蚕絲館さんで20日間にわたっておこなわれた
養蚕ワークショップの打ち上げとして、
碓氷製糸さんを見学するツアーを開催しました。
せっかくなので、養蚕ワークショップに
参加されていない方にもむけて募集をしたところ
予想以上のご応募があり、多くの方が関心をよせている
産業であることを感じました。
解説の係の方が、案内をしてくれます。
碓氷製糸さんは、『碓氷製糸農業協同組合』という農協組織でしたが、
養蚕農家である組合員の減少や高齢化から、今年株式会社になりました。
第一土・日、第三木・金曜日は蚕絲館の東先生による
座繰りワークショップ!
今日は養蚕ワークショップで先月収穫した
ご自分の繭を使う方もありました。
感慨深いものがあります。
蚕絲館さんの養蚕ワークショップで収穫した3kgの繭!
6/12収穫したものを冷凍前に生糸にしたいという
ご要望があり、6/15・16とこの繭を使って
座繰りワークショップを開催。
3kg、どーーーん。
たっぷり引けそう。
『生繰り(なまぐり)』といって
今しかできない糸が引けます。
今しないと、このままなら、あと数日で
蛾が出てきてしまう!のです。
昨日は蚕絲館の東先生による座繰りワークショップでした。
座繰りとは、繭をお湯で煮て上州座繰り器にかけ、生糸をとる昔ながらの方法です。
東先生が丹精込めて育てた繭。
20代の頃、座繰りをするために群馬に来たけれど、養蚕農家さんがどんどんいなくなり、
繭も手に入らなくなる、という現状があって、たった一人で養蚕から始められたそう。
すごい人だ。。。
今日は座繰り製糸のワークショップ!
座繰りは、繭をお湯で煮て、木製の座繰り器で生糸を巻き取ってゆく製糸方法。
機械製糸にくらべ、ふんわりとした質感があり、
布になった時、独特の空気層が生まれます。