ton-caraから歩いて20分くらいのところにある
鷺宮咲前神社(さぎのみやさきさきじんじゃ)は、
534年のご創建だそうで、由緒のとても古い神社です。
境内にはこんもりとした森があり、今回椿や桜を採集させてもらい、
大昔のような椿灰汁による媒染を使った桜染めの教室を開催いたしました。
講師は草木屋の山崎先生。
高枝ばさみで葉を剪定してゆき
みんなで採集します。
椿は生木のまま燃やして灰をとります。
トンカラから火吹き棒を持ってきてみました。
火吹き棒、威力、素晴らしいです。
椿灰から灰汁をとります。
灰汁は濾してゴミや上澄みを使います。
草木染めをする時は、色を定着させる
『媒染ばいせん』を行います。
今は精製された鉄やアルミなどの重金属を使いますが、
昔はこのように椿灰汁を利用するなどしていました。
椿の葉は、アルミを蓄える性質を持っているのだそう。
大昔の人は、どうしてそれに気がついたんでしょうね。
同時に桜の葉も採集。
煮出します。桜餅の香りが漂います!
葉からも桜色が取れますが、枝を煮出しておいておき、
赤みが増した染液も使いました。
しまった。
麦茶が置いてあったところに染液や媒染を置いたから、
『ご自由にお飲み下さい』の下げ札がそのままだ。
飲んじゃいけません。
染めと洗いと媒染とを繰り返して。。。
じゃーーーーん。
こんなに大物も染まりました。
フラダンスのスカートに使われるんだそう。
こんなスカートで踊れたら素敵ですね。
それぞれ皆さん、染めの作業を行います。
これは蚕絲館の東さんが引いた生糸。
見事な桜色。
発色しにくい木綿も、重ねて染めることで
濃い色を得られました。
(右が重ね染め前、左が重ね染め後)
桜は、水に対しての染料の量を多くすることで、
こんな鮮やかな黄色を得ることができます。
桜色と黄色のこんなグラデーションも。
染め上がったものは、
宮司さんに祝詞をあげてご祈祷してもらいました。
鎮守の森の恵みの色、素晴らしい色合いに染め上がりました。
とても楽しい教室でした。
神様、宮司様、関係者のみなさま、ありがとうございました!
次回の草木染め教室は9/19(火)・20(水)。
藍・茜・桑・五倍子を使って重ね染めを行います。
色を重ねることでどんな染め上がりになるでしょうか。
お申し込みはton-caraふせまで。
コメントをお書きください
KANO YUMI (月曜日, 07 8月 2017 00:36)
アルミ媒染は面白い色になるので、以前、つばきでの媒染を試みて椿の枝葉を焼いたことがあります。生葉はとても燃えにくくて、苦労しました。作業員さんたちに「乾燥させないと燃えない」「そもそも火事の時に延焼を防ぐために植えるものだから」とさんざん言われたのを思い出します。やはり生で燃やさないとダメなものでしょうかね?
ton-cara (火曜日, 08 8月 2017 13:57)
コメントありがとうございます。
生葉を燃やす理由は、実のところ正確にはわからないようですが、
草木屋さんでは白い灰を得るため、行なっているそうです。
生葉を燃やすと白い灰が得られるため、その灰汁の上澄みが無色になります。
乾燥したものから得る褐色の灰による、
灰汁の上澄みで被染物が汚れないように、
生葉を燃やすのではないかと、草木屋さんでは考えているそうです。
YUMI KANO (水曜日, 09 8月 2017 09:49)
お返事ありがとうございます!
私の住んでいるところでは、農家などでは薪ストーブが当たり前。
目上の方たちは薪を燃すことに慣れています。
よく乾燥して煙を出さず気持ちよく燃えるために、
薪は割って乾燥させておくことが肝要。
そのため、「生木が燃えるわけがない」のが常識で、
結構な抵抗がありました(^_^;)
そういう理由がちゃんとわかっていれば説明できたのになー。