
10/13、岡谷蚕糸博物館の見学会を開催しました。
蚕絲館さんにておこなった、晩秋蚕の養蚕ワークショップの打ち上げとして企画したものですが、ワークショップを体験されていなくても、ご参加いただけます。
蚕絲館さんが、館長の高林さんにお願いしてくれ、
館長さんが自ら時間をかけて丁寧に解説してくれる、スペシャルツアーが実現しました!

これは明治の頃のフランス式繰糸機。富岡製糸場で使用されていたものだそう。
現存するものはこれだけ。
現物はここでしか見られません。

『この道具は何に使うものですか?』
『これはどうやって使うのでしょうか?』
そんな質問にも、高林館長は一つ一つ丁寧に教えてくださいました。

そしてこれは、諏訪式繰糸機。
フランス式のものを改良したものです。
この椅子に座って繰糸します。
フランス式は、鍋の部分が銅で出来ていましたが、
銅は、生糸に銅が付着してしまい、その後の精練や染めに影響を及ぼしてしまうため、諏訪式は陶器の鍋に改良したそうです。フランスではなぜ気づかなかったんでしょうね。
また、大きさも、小柄な日本人に合わせたサイズになっています。
そのほか、機械製糸以前の手挽きの道具や座繰り器が展示されています。

多条繰糸機。生産量を上げるために回転数を上げると、糸の質が落ちてしまいます。
そこで糸を引くスピードはゆっくりながら、巻き取る小枠の数を増やす繰糸機が開発されました。
この繰糸機は、御法川(みのりかわ)三郎さんという方が開発したので御法川繰糸機と呼ばれています。この繰糸機で生産された生糸はアメリカで大変もてはやされたそうです。

この博物館内では、宮坂製糸さんが実際に稼働している様子をつぶさに見学できるのも大きな魅力です。

宮坂製糸さんの上州式繰糸機↑。モーターによって回転する小枠に生糸が巻き取られてゆきます。
これ↑はその動画です。
ちなみに、手まわしによる上州座繰り器は、こんな感じ↑。
ton-caraで行われた蚕絲館さんのワークショップの映像です。

これ↑は宮坂製糸さんの諏訪式繰糸機。
↑その動画です。

この上州繰糸機では、節糸をつくるため、少量の玉繭(2頭のお蚕さんが一緒の繭を作ってしまったもの)を混ぜて製糸していました。
館長さんの指示棒の先に小石丸の繭がくっついているのが、とても気になっていましたが、
指示棒の先の小石丸を使って、玉繭と大きさや形の違いを説明してくれました。そうやって使うのですね!
ちなみに、写真がブレてしまっていますが、館長さんのネクタイピンも、シルクで編まれたお蚕さんなのです!
なんというこだわり!!

自動繰糸機についても、機械を動かしたり止めたりして、その仕組みや歴史を丁寧に解説してくださいました。

ここではニッサンの自動繰糸機の仕組みを、こんなに間近にじっくりと観察できます。
自動繰糸機のケンネルは、このようになっていたのですね!

また、諏訪式繰糸機、フランス式繰糸機の実演も大きな魅力です!
これは諏訪式繰糸機。
学芸員の林さんが長年の研究と経験に基づいた解説と共に実演してくれました!
ほんとスゴい貴重なお話でした。

これはフランス式繰糸機。仮撚りの部分が諏訪式や現代の自動繰糸機と異なります。
このようなよりかけ方法を『共撚り』といい、バランスをとるのが難しかったそうです。

これはイタリア式繰糸機。撚りかけ方法はケンネル式。
ただ、イタリア式は糸の巻き取り方は、日本の気候には向いていなかったようです。

日本にあった繰糸機を開発する上で、数知れない試行錯誤や研究があったのですね。

見学は、2時間ほど見ていましたが、1日かけても足りないくらいでした。
高林館長始め、博物館の皆様、宮坂製糸の皆様、またこの見学会を企画してくれた蚕絲館さん、
本当にありがとうございました!
またこういった見学会は企画してまいりたいと思います。
見学会後の昼食会は、御うな小松屋さんの『御うな御膳』でした。
うなぎのひつまぶしに、鯉の洗い。
つけあわせにイナゴの佃煮がありました。
東さんが、
『イナゴとうなぎを一緒に食べるとお蚕の味がしますよ!』と、新たな発見を教えてくれたのでした。
東さんはいつでもどこでも研究熱心です。
コメントをお書きください